2019年08月05日、世界経済に激震が走りました。トランプ米政権が中国を「為替操作国」に指定したと発表したのです。この決断からわずか9時間後、中国人民銀行は即座に猛烈な非難声明を出す事態となりました。市場では「ついにここまで来たか」という緊張感が漂い、SNS上でも「世界恐慌の再来か」「投資先を考え直さなければ」といった不安の声が次々と投稿されています。
そもそも「為替操作国」とは、自国の輸出を有利にするために、政府が意図的に通貨価値を安く誘導していると米国が認定した国のことを指します。米国側は、中国が不当に元安を仕掛けていると主張していますが、これに対して中国側は断固として否定する構えを崩していません。両国の対立は、単なる貿易の枠組みを超え、通貨の価値を巡る真っ向からの衝突へと発展してしまったようです。
11年ぶりの「1ドル=7元」突破が意味する国内景気の苦境
今回、中国当局が1ドル=7元という心理的な節目を突破することを容認した背景には、国内景気の深刻な鈍化があると考えられます。これは実に2008年以来、約11年ぶりの出来事です。米国による追加関税の影響を相殺するためには、通貨価値を下げて輸出価格競争力を高めるほかありませんでした。つまり、中国は背に腹は代えられない状況まで追い込まれていると言い換えることができるでしょう。
私自身の視点としては、この動きは非常に危険な「諸刃の剣」であると感じています。元安が進めば輸出にはプラスに働きますが、一方で中国国内からの資本流出を招くリスクが飛躍的に高まるからです。2015年に発生した「人民元ショック」では、元安をきっかけに世界中の株式市場が大混乱に陥りました。今回の措置は、当時の悪夢を上回るほどの破壊力を秘めている可能性があり、決して楽観視できる状況ではありません。
もし米国と中国が泥沼の「通貨安競争」に突入すれば、世界的な金融危機のトリガーになりかねないでしょう。各国が自国通貨を安くしようと躍起になれば、国際的な信用の連鎖が断ち切られ、貿易そのものが停滞してしまう恐れがあります。ネット上では「スマホやPCの値上がりが心配」といった身近な影響を危惧する声も多いですが、事態の本質は世界経済の根幹を揺るがす重大な局面にあると言わざるを得ません。
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