2019年08月08日、日本ハムファイターズの栗山英樹監督が口にした言葉が、球界に小さくない波紋を広げています。「誰が先発は5回と決めたのか」という問いかけは、長年プロ野球界で絶対的なルールとされてきた「投手分業制」のあり方に一石を投じるものでした。
現在、栗山監督が積極的に導入している「ショートスターター」とは、メジャーリーグから伝わった新しい投手起用術です。これは先発投手に長い回を任せるのではなく、打者一巡程度の短いイニングで交代させ、早い段階から継投策を講じる戦術を指します。相手打線の強力な上位打線を封じ込め、試合の主導権を握る狙いがあるのです。
SNS上では「新しい野球の形が見られて面白い」と肯定的な声が上がる一方で、「投手の勝ち星がつかないのはかわいそう」といった伝統的な記録を重視するファンの意見も散見されます。実際、初回を完璧に抑えて流れを作っても、現在のルールでは5回まで投げなければ先発に勝ち星はつきません。栗山監督はこの現状に、苦笑いを浮かべながら疑問を呈しているのです。
かつて巨人で活躍した宮田征典氏の時代には、セーブという概念すら存在しませんでした。中継ぎ投手の貢献度を測る「ホールド」も後年に誕生した指標です。このように、野球の歴史は常に現場での「現実」が先行し、その後に「ルール」が追いかける形で進化を遂げてきました。今の常識が未来の非常識になる可能性は十分にあります。
最近では、セーブがつかない4点差の場面でも守護神を投入するチームが増えてきました。これは「4点差は決して安全圏ではない」という認識が現場で定着した証拠と言えるでしょう。一見すると奇策に思えるショートスターターも、数年後には球界の「定石」として語り継がれているかもしれません。私たちは今、まさに歴史が動く瞬間に立ち会っているのです。
私は、こうした既成概念に囚われない栗山監督の柔軟な思考こそが、停滞しがちなプロ野球界を活性化させる原動力になると確信しています。記録の壁に阻まれながらも、チームの勝利のために最善を尽くす指揮官の挑戦を、今後も注視していかなければなりません。静かに、しかし確実に進むこの「革命」の行く末を、皆さんと共に見守っていきたいところです。
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