岩手県の中央部に位置する紫波町図書館が、世界最大の図書館関連イベントで、その革新的な地域活性化の取り組みを発表することが決定しました。この画期的なニュースは、日本の図書館界に大きな波紋を広げています。日本の自治体にある図書館が、この世界的総会で事例を発表するのは、なんと初めてのことだと言います。人手や予算が限られがちな小さな町の図書館が、どのようにして地域の課題を解決し、人と情報とを結びつける「地域ハブ」としての役割を築き上げたのか、その秘訣が今、世界に披露されることになります。
評価された活動の核心は、単に書籍を貸し出すという従来の役割を超え、中小農家への支援をはじめとする、具体的な地域課題の解決へ貢献している点にあります。この取り組みは、全国各地の似たような悩みを抱える自治体の図書館にとって、明るい指針となるでしょう。読者の皆様の関心も非常に高いようで、SNSでは「小さな町の図書館が世界に認められるなんてすごい!」「ぜひうちの地域の図書館も参考にしてほしい」といった、驚きと期待の声が数多く寄せられています。
🇺🇸 世界最大のイベント「米国図書館協会年次総会」とは?
紫波町図書館が発表を行うのは、毎年開催される「米国図書館協会(ALA)年次総会2019」です。この総会は、世界最大の図書館関連団体である米国図書館協会が主催する催しで、今年は2019年6月20日から25日まで、ワシントンD.C.公共図書館を会場に開かれる予定です。世界50カ国から集まる参加者は、およそ2万2,000人にも上るとされ、著作権問題や図書館の未来など、多岐にわたるテーマについて活発な議論が交わされる場となるでしょう。
紫波町図書館の発表の場となるのは、今回初めて設けられる「ジャパンセッション」です。このセッションは、日本の図書館の活動を世界に紹介するために特別に企画されたものです。発表を行うのは、同館の手塚美希主任司書(44歳)で、「まちの図書館が地域のハブになるまで」というタイトルで、これまでの実践報告をします。この総会に参加することは、紫波町図書館にとって、世界の最新事例を学ぶ貴重な機会となり、今後の活動に活かす大きな糧となることでしょう。手塚主任司書は「米国は地域活性化に向けた図書館活動の先進地。現地の取り組みも学び、今後の活動に生かしたい」と、並々ならぬ意気込みを語っています。
💡 地域課題を解決する!紫波町図書館の具体的な取り組み
では、具体的に紫波町図書館はどのような活動で地域に貢献しているのでしょうか。例えば、町の主要な産業は農業ですが、ノウハウ(専門的な知識や技術)不足に悩む中小農家が多いという実情があります。これに対し、図書館は単なる図書室の枠を超え、農村部の公民館へ出向く「出張図書館」を展開しました。さらに、農業専門の出版社と連携してセミナーを開催し、全国各地の農家による多収・省力化、つまりより多くの収穫を得るための工夫や、作業負担を減らす技術といった成功事例を紹介しています。これは、情報資源と専門知識を必要な人へ直接届ける、まさに図書館による社会貢献と言えるでしょう。
また、住民を巻き込む形の企画展の開催も、町の活性化に大きく寄与しています。一例として、町独自のデザインに着目した企画展では、地元の祭りの関係者に協力をお願いし、関連する書籍だけでなく、祭りの山車(だし)の上に取り付ける人形などの実物まで展示しました。この展示は大きな反響を呼び、普段は図書館に来ることが少ない祭りのファンの方々を呼び込むことに成功しました。結果として、新たな住民同士の交流を生み出し、地域内のネットワーク構築にもつながったのです。
手塚主任司書は、「司書が地域の課題を見つけ、企画展などを通して伝えることが大切。同様の課題に悩む地域の参考になれば」と、その哲学を述べています。私は、こうした能動的で地域密着型の図書館活動こそが、これからの図書館のあるべき姿だと強く感じています。財政難で苦しむ自治体が多い今、図書館が地域の知のインフラとして、いかに住民の生活や産業を支え、自律的な発展を促せるかという点で、紫波町図書館の事例は非常に重要だと考えられます。
🇯🇵 日本からの挑戦!図書館界の連携が生んだ快挙
今回の日本からの発表は、紫波町図書館の単独の努力だけでなく、図書館関係者で組織される「ビジネス支援図書館推進協議会」(推進協)の熱意によって実現した快挙でもあります。推進協は、日本の図書館を紹介するため、米国図書館協会に年次総会での発表を提案しました。その結果、協会による選考を経て、日本からの発表が決定したのです。
ジャパンセッションでは、紫波町図書館のほかに、鳥取県立図書館(鳥取市)と広島市立中央図書館という、先進的な取り組みを行う二つの公立図書館も、それぞれの活動を報告する予定です。自治体の財政が厳しい状況にある中、推進協は司書の方々の渡航費などの経費についても、クラウドファンディングなどを活用して積極的に支援しています。この連携と支援体制こそが、日本の図書館が世界へ羽ばたく大きな一歩を後押ししていると言えるでしょう。
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