マカフィー田中辰夫社長に聞く!テレワークとIoT時代のセキュリティ戦略とゼロからの事業開拓術

2019年08月09日、サイバーセキュリティの最前線を走るマカフィーの日本法人を牽引する田中辰夫社長に注目が集まっています。田中氏は御年63歳、これまで数々の新事業をゼロから軌道に乗せてきた「立ち上げのスペシャリスト」としての顔を持ち合わせています。彼の歩んできた足跡を辿ると、単なるIT企業の経営者という枠に収まらない、飽くなき探究心と柔軟な発想力が浮かび上がってきます。

キャリアの原点は、意外にも文房具のホチキスで有名な「マックス」という企業でした。そこでコンピューターを用いた設計システムであるCAD(キャド)事業の創設に関わったことが、ITの世界へ足を踏み入れる転機となったのです。当時はまだデジタル技術が一般化する前夜でしたが、田中氏はこの未知の領域に無限の可能性を感じ取り、名門ディジタル・イクイップメントや動画ソフト会社を経て、1999年にマカフィーの前身へと合流しました。

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後発からの逆転劇を支えた独自の法人ノウハウ転用術

2003年当時、家庭用パソコンのウイルス対策市場は、すでにシマンテックやトレンドマイクロといった巨頭が君臨するレッドオーシャンでした。しかし、田中氏はあえてこの激戦区で後発として勝負を挑む決断を下します。ここで彼が武器としたのが、それまで培ってきた法人向けビジネスの深い知見でした。企業が求める堅牢な防御力を家庭用にも応用するという逆転の発想が、市場に新たな風を吹き込むことになったのでしょう。

インターネットの普及が加速していたこの時代、SNS上でも「パソコンを守る術がもっと身近になってほしい」という一般ユーザーの声が目立ち始めていました。田中氏の戦略は、こうした潜在的なニーズを的確に射抜いたといえます。単に製品を売るだけでなく、利用者が直面する不安を取り除くという真摯な姿勢が、後発というハンデを跳ね返し、強固な顧客基盤を築く原動力になったのは間違いありません。

現在、世の中ではテレワークの普及や、あらゆるモノがネットに繋がるIoT(モノのインターネット)化が急速に進展しています。IoTとは、冷蔵庫や車、工場の機械などが通信機能を持つ仕組みを指しますが、これは利便性が高まる一方で、サイバー攻撃の窓口が増えるリスクも孕んでいるのです。こうした新しい働き方や技術の進化こそが、マカフィーにとっては最大の商機であり、田中氏の「立ち上げ」の腕が再び試される場面といえます。

私自身の見解としても、今日の複雑化したデジタル社会において、田中氏のような「異業種からの視点」を持つリーダーは極めて貴重だと感じます。技術論に終始せず、ビジネスの仕組みを根本から作り替える力こそが、私たちの安全を守る最後の砦になるはずです。セキュリティはもはや一部の専門家のものではなく、日常に溶け込むインフラとして、彼の手によってさらに進化していくことが期待されます。

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