2019年6月12日、日本の携帯電話業界に大きな波紋が広がっています。その理由は、総務省が打ち出した携帯電話の契約解除に伴う違約金に関する新たな方針です。これを受け、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3キャリアは、料金プランの抜本的な見直しを迫られる事態になりました。
特にNTTドコモとKDDI(au)は、同年6月からばかり、9,500円の違約金を前提とした新料金プランを適用した直後だったため、今回の総務省の動きはまさに「想定外の衝撃」として受け止められたと言えるでしょう。通信大手の幹部からは、「違約金が1,000円になるのは安すぎる」といった本音も漏れており、通信料の引き下げ議論が、市場の競争環境そのものを激変させる事態につながったことに戸惑いが隠せない様子です。
この違約金の大幅な引き下げは、携帯電話会社にとって、契約者の流出を招く大きな要因となります。これまでの違約金9,500円という設定が、消費者の「他社への乗り換え障壁」となって機能していた面があり、各社の解約率は1%未満に抑えられていました。しかし、この障壁が実質的に撤廃されることで、消費者はより気軽に他社に乗り換えられるようになり、解約率の上昇は避けられないでしょう。
各社はすでに対応に動き出しています。ドコモは、2019年6月1日から通信料を最大4割引き下げる新プランを提供し、KDDIも同日からデータ使用量1ギガバイト(1GB、10億バイト)までなら月額1,980円で利用できるプランを開始しました。これらのプランも違約金9,500円を前提としていたため、今後は新たな方針に合わせて見直しが必須となります。消費者にとっては、競争の激化によって、より安価で柔軟な料金プランが享受できるという大きなメリットが生まれるはずです。
一方で、ソフトバンクは、新規参入する楽天モバイルの動きを慎重に見極めつつ、値下げのタイミングを測る見通しです。ソフトバンクは、傘下の格安ブランドである「ワイモバイル」で低価格帯の需要に対応し、料金の変更は最小限にとどめる方針でしたが、今回の総務省の強力な是正措置によって、料金戦略の抜本的な見直しを迫られています。SNS上でも、「これでようやく気軽にキャリアを替えられる」「大手はもっと安くなるべき」といった、規制強化を歓迎する声が多く見受けられ、消費者からの期待値は非常に高まっています。
さらに、携帯電話の販売方法にも大きな変更が求められています。総務省は、端末購入時の割引額を2万円に制限する方針も示しており、これも各社の販売施策に大きな影響を与えるでしょう。特に、回線契約の継続を前提に端末の分割料金の一部を免除する、KDDIやソフトバンクのいわゆる「4年縛り」といった販売手法は、この規制によって見直しを余儀なくされる見込みです。
楽天モバイルも、2019年10月の本格的な携帯電話事業参入に向けて、割安な料金設定を提示するとみられています。この楽天の動きも睨みながら、既存の大手3キャリアは、料金だけでなく、自宅の固定回線やその他のサービスとのセット販売、いわゆる「囲い込み」戦略を強化することで、顧客の離脱を防ぐための新たな競争を繰り広げるでしょう。2019年秋には、日本の携帯電話料金体系が大きく一変し、消費者にとってメリットの多い、混沌とした競争時代が幕を開けることに期待が高まります。
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