2019年6月12日、日本の**「皇位継承」を巡る議論に大きな動きがありました。立憲民主党と国民民主党という主要な野党二党が、長年の懸案事項である皇位の「安定継承」を実現するための具体的な考え方を相次いで公表したのです。この問題は、2017年6月に成立した皇室典範特例法の付帯決議でも検討が求められている国の根幹に関わるテーマであり、両党が夏の参議院選挙を前にそれぞれの姿勢を鮮明にしたことは、国民的な議論を加速させる契機となるでしょう。
立憲民主党が2019年6月11日に発表した「論点整理」は、皇位継承資格を「男系男子」に限定している現行の制度について、「見直しを検討するべきだ」と非常に踏み込んだ指摘をしています。具体的には、「女性天皇」、そして父方に天皇を持つことがない「女系天皇」、その両方を容認する立場です。加えて、皇位継承順位については、性別に関わらず天皇直系の「長子優先」という、いわゆる「長子相続制」を志向する考え方を打ち出しました。これは、現在の皇位継承資格を定めている皇室典範の原則から大きく逸脱する内容であり、SNSなどでも「画期的だ」「皇室の伝統を軽視している」と賛否両論の大きな反響を呼んでいます。
また、立憲民主党は、「女性宮家(じょせいみやけ)」の創設についても必要性を強く訴えています。これは、結婚により皇籍を離脱することが定められている現在の女性皇族が、結婚後も皇室にとどまり公務を担えるようにする制度のことで、皇族数の減少という喫緊の課題への対応策として注目されています。しかし、枝野幸男代表は日本記者クラブでの記者会見で、「あくまで論点整理であり、結論は出していない」「幅広い国民合意を得ないといけない」と説明しており、国民的な議論の必要性を強調しています。
一方、同日に概要を発表した国民民主党の「皇室典範改正案」も、安定継承への道筋を示していますが、立憲民主党とは一線を画しています。国民民主党の案は、皇位継承者を「男系の子孫」とする方向性を維持しており、男系であって、かつ女性の天皇である「女性天皇」については容認する立場です。しかしながら、「女系天皇」、つまり父方に天皇を持つことがない皇族が天皇になることについては認めず、「今後の論点」としています。これは、皇室の歴史的・伝統的な要素を重んじつつも、現在の皇族構成の変化に対応しようとする、より現実的なアプローチだと言えるでしょう。
玉木雄一郎代表は、この改正案の取りまとめについて、記者会見で「政府で検討が進んでいない現状に鑑み、問題提起の観点も踏まえてとりまとめた」と述べ、政府の検討の遅れを指摘しました。私自身の意見としては、皇位継承という極めて重いテーマについて、主要野党が具体的な提案を示したことは、国の将来を考える上で極めて重要であり、建設的な議論を深めるべきだと強く思います。国民の関心は非常に高く、今後の国会での論戦が注目されるでしょう。
皇位継承議論の現状と安倍政権のスタンス
2017年6月に成立した皇室典範特例法の「付帯決議」では、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設など」を検討することが記されていますが、当時の安倍政権は、女性天皇および女系天皇のいずれに対しても非常に慎重な姿勢を崩していませんでした。このため、政府内での具体的な議論は停滞しているのが実情です。今回、立憲民主党と国民民主党が明確な立場を打ち出した背景には、夏の参議院選挙に向けて、この重要テーマに対するスタンスの違いを国民に示すという戦略的な意図もあると推察できます。
政府のトップである菅義偉官房長官は、記者会見でこの問題に言及し、当面は天皇陛下の代替わり儀式の準備を最優先する考えを表明しました。安定的な皇位継承を巡る議論については、一連の儀式がつつがなく完了する今年秋以降**に進める意向を示しています。「まずは式典がつつがなく行われるよう全力を尽くす」と述べる一方で、立憲民主党の論点整理に関しては「政府の立場でコメントを控える」と述べ、論評を避ける姿勢を示しました。これは、政府として時期尚早と考え、野党の提案への直接的な関与を避けたものと見られます。
しかしながら、今回の野党二党の提案は、政府がいつまでも検討を先送りできない状況を創り出したことは間違いありません。特に、女性宮家創設は皇族数の減少という現実的な課題に直結しており、その議論を避けることはもはや不可能でしょう。国民一人ひとりがこの国のあり方、そして皇室の未来について考えを深める必要がある時期が来ているのではないでしょうか。
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