2019年6月10日、日米両政府は、米国ワシントンD.C.において、貿易交渉の事務レベル協議を本格的に始動させました。これは、貿易協定締結に向けて、実際に両国の専門家が詳細な項目について話し合う重要なステップで、実に5月以来、2回目となる会合です。この日、両政府は、約9,000にも上るといわれる関税品目一つひとつについて、お互いの立場や現状を綿密に確認し、擦り合わせる作業を進めています。この協議が土台となり、6月13日には、日本の茂木敏充経済財政・再生担当大臣と、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表という、閣僚級による交渉が予定されています。
この日の協議では、特に、日本が農産品の輸入にかけている関税が主要な議題となりました。日本側からは、環太平洋経済連携協定(TPP)等政府対策本部の渋谷和久政策調整統括官をはじめ、農林水産省の交渉担当者が参加しています。一方、米国側からは、USTRの日本担当であるビーマン代表補らが出席し、交渉に臨みました。米国は、自国で生産された農産品にかかる日本の関税を、できるだけ早く引き下げるよう強く求めている状況です。
協議の焦点は、現在、主要な農産品にどのような関税(専門用語解説:関税とは、外国から輸入される物品に課される税金のことで、自国の産業を守る目的や、政府の財源とする目的で設定されます)がかかっているのかを確認することにありました。交渉に詳しい関係筋の情報によると、米国側は、過去のTPP(専門用語解説:Trans-Pacific Partnership、環太平洋地域の国々による経済連携協定)交渉において、米国に対して日本が認めたとされる関税撤廃の品目やその水準と、すでに発効している日欧経済連携協定(EPA)(専門用語解説:Economic Partnership Agreement、特定国や地域との間で貿易や投資を自由化し、経済関係を強化する協定)の内容との間に、どのような「違い」があるのかに強い関心を示しているといいます。これは、日本がすでに締結した大規模な貿易協定と同じか、それ以上の市場開放を、米国産農産品に対しても求めるという、強い姿勢の表れだと私は考えます。
このニュースが報じられると、SNSでは「#日米貿易交渉」がトレンド入りし、「日本の農業が心配だ」「TPPや日欧EPAの時よりも厳しい交渉になるのではないか」といった不安の声が数多く見受けられました。一方で、「米国との協定で日本の輸出産業に新たなメリットが生まれるはずだ」「日本の交渉団には頑張ってほしい」といった期待と応援のコメントも多く寄せられています。この交渉は、日本の食卓や産業構造にも大きく影響を与えるため、国民の関心は極めて高いでしょう。
私は、今回の事務協議が、両国の率直な意見交換の場となり、最終的にウィンウィンの関係を築けるような公正な貿易ルールが設定されることを強く期待しています。日本の国益を守りつつも、世界の自由貿易の推進に貢献できるような、前向きな結論が出ることを願ってやみません。今後の閣僚級交渉の行方から、目が離せない状況です。
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