1985年8月12日に発生し、520名の尊い命が失われた日本航空123便墜落事故から、2019年08月12日で34年という節目を迎えました。群馬県上野村に位置する「御巣鷹の尾根」では、猛暑のなか、多くの遺族の方々が険しい山道を一歩ずつ踏みしめながら慰霊の登山を行っています。亡き家族に近況を報告し、静かに手を合わせるその姿は、時の流れにかかわらず色あせることのない深い愛情と悲しみを物語っているようです。
今回の慰霊登山には、日本航空の赤坂祐二社長も同行し、墓標の前で深く頭を下げました。現在、同社ではパイロットによる飲酒不祥事が相次いで発覚しており、組織としての安全意識が厳しく問われています。赤坂社長は「亡くなられた方々やご遺族に対し、申し訳ないという一心で登らせていただいた」と、沈痛な面持ちで謝罪の言葉を口にしました。空の安全を預かる企業のトップとして、この場所が持つ重みを改めて肌で感じたのではないでしょうか。
SNS上では、このニュースに対して「34年経っても風化させてはいけない」「今の航空業界は、当時の教訓を本当に引き継げているのか」といった厳しい声や、遺族を思いやるコメントが数多く寄せられています。特に不祥事が続いている現状に対しては、安全神話の崩壊を危惧する意見が目立ちます。事故を知らない若い世代が増えるなかで、どのようにしてこの記憶を「自分事」として継承していくべきか、多くのユーザーが強い関心を寄せています。
事故現場となった「御巣鷹の尾根」は、標高約1500メートルに位置する非常に険しい場所です。慰霊登山とは、亡くなった方々の魂を慰め、二度と同じ悲劇を繰り返さないことを誓うために行われる大切な儀式を指します。30年以上の月日が流れ、遺族の皆様も高齢化という現実に直面していますが、杖を突きながら斜面を登るその情熱は、まさに命の尊さを私たちに伝える無言のメッセージとして心に響いてきます。
私は、この慰霊の灯を絶やしてはならないと強く感じます。企業が利益や効率を優先するあまり、最も根幹にあるべき「安全」を軽視することは、決して許されることではありません。不祥事が続く今だからこそ、日本航空をはじめとするすべての関係者は、御巣鷹の土に流された涙を忘れてはならないでしょう。技術がどれほど進歩しても、それを運用する人間の規範意識が伴わなければ、真の安全は守れないという教訓を再認識すべき時期に来ています。
2019年08月12日の夕刻には、麓の「慰霊の園」で追悼式典が執り行われ、事故発生時刻である18時56分に合わせ、全員で黙祷が捧げられる予定です。520の灯籠(とうろう)に火が灯る光景は、亡くなった方々の魂が安らかであることを願う、人々の祈りの象徴でもあります。私たちはこの日を、単なる過去の事件を振り返る日ではなく、現在進行形の安全について真剣に考え、行動し続けるための原点としなければなりません。
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