2019年6月12日、富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT)は、スマートフォン「アローズ」シリーズの法人向け端末を同年10月以降に市場へ投入する計画を公にしました。これは、単に新製品を発表するだけでなく、付加価値の高い製品によって新たな市場の需要を切り拓くという、同社の明確な戦略を示すものです。特に、次世代通信規格である**「5G(第5世代移動通信システム)」への積極的な姿勢も示されており、高田克美社長は、2020年内には5Gに対応した機種を提供していく見通しを表明されています。この動きは、急速に進化する通信技術の世界において、FCNTがリーダーシップを取ろうという強い意志を感じさせるものです。
今回、法人向けモデルとして発表されたスマートデバイス「ARROWS M359」は、想定価格4万9,800円前後での提供が予定されています。このモデルは、高い耐久性で知られる従来の「アローズ」の強みを踏襲し、落下時の衝撃や水濡れに強い設計をさらに改良しています。さらに特筆すべきは、プライベートLTE規格「sXGP(エスエックスジーピー)」への対応です。これは、企業や団体が自社の敷地内だけで使用できる、安全性の高い専用の通信環境を構築するための規格を指します。公衆の通信網ではなく、自前でネットワークを持つことで、情報の機密性を保ちながら、安定した通信を利用できるのが大きなメリットです。
sXGPは、遠くまで電波が届きやすい特定の周波数帯を利用するため、例えば、公衆網の電波が届きにくい山間部の工事現場や、広大な敷地を持つコンビナートといった特殊な環境での導入が容易になります。企業独自のセキュアな通信網を構築できるため、製造業や建設業など、現場でのリアルタイムな情報共有が不可欠な業種において、生産性の向上に大きく貢献することが期待できます。FCNTは、こうしたニッチでありながらも確かな需要がある市場をターゲットに据え、確固たる企業基盤の構築を目指しているのでしょう。
記者発表会では、この法人モデルのほかにも、自動翻訳機「アローズ ハロー」を含む計5機種が披露され、同社の技術力の幅広さをアピールしました。FCNTの企業体制としては、国内投資ファンドであるポラリス・キャピタル・グループが約7割を出資し、残りの約3割を富士通が保有するという資本構成になっております。この体制のもと、FCNTは市場のニーズを的確に捉え、独自の技術を活かした革新的な製品開発を進めていくものと思われます。
この法人向けアローズの発表は、SNS上でも大きな反響を呼びました。特に「プライベートLTE対応」という点に関して、多くの技術者や企業関係者から「これは現場で使える」「セキュリティーを考えると待望の機能だ」といった期待の声が寄せられていたようです。私の見解では、スマートデバイスが単なる個人用のツールから、ビジネスインフラの一部へと進化する中で、このように特定市場の専門的な課題を解決する機能を持つ製品は、今後ますます重要になってくるでしょう。FCNTが、いち早く法人市場と次世代通信(5G)を見据えた戦略を打ち出したことは、非常に先見の明**があると言えます。
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