【2019年最新】真夏の夜に震える!京極夏彦らが描く実録怪談『稲生物怪録』と至極のSF・ファンタジー3選

2019年08月15日、厳しい暑さが続くこの夏に、ひんやりとした恐怖と興奮を届けてくれる一冊が話題を呼んでいます。今回ご紹介するのは、東雅夫氏が編纂した『稲生物怪録』です。本作は、広島県三次市に古くから伝わる実録の怪異譚を現代に蘇らせたアンソロジーであり、ただの創作怪談とは一線を画す圧倒的なリアリティを誇ります。江戸時代に実在した武士の体験が、現代の読者の好奇心を強く刺激しているようです。

物語の舞台は、備後国三次(現在の広島県三次市)にある稲生平太郎という若き武士の屋敷です。1749年(寛延2年)の7月、この屋敷に突如として正体不明の「物怪(もののけ)」たちが現れ始めました。そこから約1ヶ月間にわたり、毎晩のように奇妙で恐ろしい現象が平太郎を襲います。この「物怪」とは、現代で言うところの妖怪や超常現象を指す言葉であり、当時の人々にとっては人知を超えた恐怖の対象そのものでした。

本作の大きな魅力は、豪華な執筆陣による現代語訳にあります。平太郎本人が綴ったとされる記録を、人気作家の京極夏彦氏が翻訳。さらに、平太郎から直接話を聞き取った柏正甫(かしわせいほ)による文書を、怪談界の重鎮である東雅夫氏が訳しています。SNS上では「京極氏の訳によって、江戸時代の空気感が鮮明に伝わってくる」「実録ならではの生々しさが怖いけれど、ページをめくる手が止まらない」といった反響が寄せられています。

物語の白眉は、何といっても主人公・稲生平太郎の異常なまでの「鉄面皮(てつめんぴ)」ぶりでしょう。これは、厚かましいという意味ではなく、どんなに恐ろしい化け物が現れても顔色一つ変えない、鋼のメンタルを指しています。襲い来る妖怪たちを全く意に介さない彼の態度は、現代の視点から見ると、勇猛な武士というよりも一種の「サイコパス」に近いのではないかと感じさせるほど、独特なヒーロー像を確立しています。

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短時間で異世界へ!日常を彩るSFとファンタジーの傑作

続いてご紹介するのは、草上仁氏による『5分間SF』です。2019年08月15日現在、忙しい現代人の合間時間に最適な本作は、1話あたり5分で読める超短編が16編も収録されています。合計80分で読み終える計算になりますが、実際にはそう簡単にはいきません。あまりにも設定と結末(オチ)が巧妙に練られているため、一度読み終えた後にすぐ読み返したくなる中毒性があり、結果として贅沢な読書時間を過ごせるはずです。

さらに、京都を舞台にしたダイナミックな物語を楽しみたい方には、小林泰三氏の『神獣の都』がおすすめです。本作は、青竜や朱雀といった伝説の聖獣たちが激突する、まるで怪獣大戦争のようなスケールを誇ります。「眷属(けんぞく)」と呼ばれる、神や獣に従う存在たちも入り乱れる闘争劇ですが、作風は意外にもユーモアたっぷり。アンチヒーローが活躍するアクションコメディとして、夏の読書を熱く盛り上げてくれるでしょう。

今回取り上げた3作品は、いずれもジャンルは異なりますが、共通して「現実を忘れさせてくれる強烈な世界観」を持っています。私個人の見解としては、特に『稲生物怪録』に注目しています。現代のように科学が発達していない時代、人々がどのように恐怖と対峙していたのかを知ることは、私たちの想像力を豊かにしてくれます。平太郎の図太い生き方は、ストレス社会に生きる私たちに「動じない心」の大切さを教えてくれるのかもしれません。

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