テンセント2019年4〜6月期決算は35%の大幅増益!ゲーム審査再開とフィンテック躍進がカギに

中国のインターネット業界を牽引する巨人、騰訊控股(テンセント)が2019年08月14日に発表した2019年04月から06月期の決算は、市場に驚きと期待感をもたらす素晴らしい内容となりました。純利益は前年の同じ時期と比較して35%も跳ね上がり、241億元、日本円にして約3600億円という巨額の利益を叩き出しています。この急成長の背景には、昨年に同社を苦しめた厳しい逆風が止み、新たな追い風が吹き始めたことが大きく関係しているようです。

2018年には当局による新作ゲームの発売審査が凍結されるという事態に見舞われましたが、その審査が再開されたことが今回の業績回復を力強く後押ししました。SNS上でも「ついにテンセントが本気を出してきた」「新作タイトルへの期待が高まる」といったファンの熱い声が飛び交っています。売上高についても、前年同期比で21%増となる888億元を記録しており、エンターテインメント領域における同社の圧倒的な存在感は、今まさに再び強まりつつあると言えるでしょう。

特筆すべきは、売上全体の約3割を占める屋台骨のゲーム事業が、前年比8%の増益を達成した点です。中国のゲーム市場全体を見ても、2019年01月から06月の成長率は8.6%となっており、2018年の5.2%から大きく回復の兆しを見せています。かつての停滞感を払拭し、再び成長軌道に乗った中国ゲーム市場において、テンセントがその中心地としての役割を遺憾なく発揮している様子は、投資家にとっても非常にポジティブな材料として受け止められています。

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フィンテックとクラウドが次なる成長のエンジンへ

テンセントが現在、ゲームに次ぐ新たな成長の柱として心血を注いでいるのが「フィンテック」と「企業向けITサービス」の分野です。フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、スマートフォン決済などの革新的な金融サービスのことを指します。この部門は37%増という驚異的な伸びを記録しており、私たちの生活に深く浸透している「WeChat(ウィーチャット)」を通じた決済手数料が、収益の大きな源泉となっています。

また、2018年秋に実施された大規模な組織改編によって、法人向けのITインフラ支援にも多くの人材が投入されました。この戦略が見事に功を奏し、クラウドサービスなどの企業向け事業も絶好調な推移を見せています。これまで個人向けのサービスに強みを持っていたテンセントが、ビジネスの世界でもその牙城を築こうとしている姿勢は非常に野心的です。デジタル変革が加速する現代において、この分野への注力は極めて賢明な判断ではないかと私は考えます。

一方で、ネット広告事業に関しては16%増に留まり、前年の39%増という勢いと比較すると成長にブレーキがかかった形となりました。これは景気動向による企業広告の抑制に加え、動画配信プラットフォーム間での激しいユーザー争奪戦が影響しています。同社は「この厳しい状況は2019年後半も継続する」と慎重な見通しを示していますが、広告の鈍化を他の成長部門で十二分に補っている現在の構造を見る限り、その王座が揺らぐことは当面ないでしょう。

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