真っ赤な糸が部屋中を埋め尽くし、中央には船をモチーフにした巨大な造形物が鎮座する光景に、思わず息を呑んでしまいます。2019年08月16日現在、東京・六本木の森美術館で開催されている「塩田千春展:魂がふるえる」が、SNSを中心に大きな話題を呼んでいるのをご存知でしょうか。
インスタグラム上では、展示を訪れた人々から「心がざわついた」「圧倒的な世界観に震えた」といった熱量の高いコメントが続々と投稿されています。この展覧会は、ベルリンを拠点に活躍する現代美術家、塩田千春氏の過去最大規模の個展であり、見る者の視覚と感情を強く揺さぶる作品が並んでいるのです。
「意味がわからなくても面白い」現代アートがデートの定番に
ここで注目したいのが、ミレニアル世代と呼ばれる、1980年代から2000年代初頭に生まれた若者たちの動向ですね。彼らにとって、現代アートの美術館は今や、映画館やカフェと並ぶ「デートの聖地」として定着しています。以前のような「難解で近寄りがたい」というイメージは、もはや過去のものかもしれません。
彼らが美術館に足を運ぶ大きな理由は、文化的な香りを楽しみつつ、インパクトのある写真が撮れるという点にあります。ここでいう「インスタレーション」とは、空間全体を作品として構成する芸術手法のことですが、その没入感や視覚的な驚きが、まさに「インスタ映え」という現代のニーズに合致したのでしょう。
森美術館をはじめ、一部の作品を撮影可能とする展示会が増えたことも、この流れを後押ししています。作品の深い意図を完全に理解できなくても、直感的に「おしゃれ」「面白い」と感じる体験自体を大切にするのが、現代らしい楽しみ方といえるのではないでしょうか。その場の空気をシェアすることが、彼らにとっての新たな鑑賞スタイルなのです。
驚きの20代来館率!データが証明するアートへの関心
実際に数字を見てみると、若者のアート志向は顕著に現れています。2018年に同館で開催された「レアンドロ・エルリッヒ展」では、来館者のうち20代が約4割を占めるという驚きの結果が出ました。SNSマーケティングを駆使し、若者の心を掴む戦略が、見事に功を奏している好例と言えますね。
また、石川県の金沢21世紀美術館にある、まるでプールの中に人がいるように見える「スイミング・プール」も、絶好の撮影スポットとして人気を博しています。アートを観光地巡りと同じような感覚で、フットワーク軽く楽しむ姿勢が、今の若者たちのスタンダードになりつつあるようです。
福利厚生を賢くハック!「非日常」をリーズナブルに楽しむ術
一方で、お泊まりデートの選択肢にも興味深い変化が起きています。最近のミレニアル世代は、会社の「福利厚生」を実にスマートに活用しているのです。かつての「安かろう悪かろう」というイメージを覆すような、スタイリッシュで高級感あふれる施設が次々と登場しています。
例えば、人気ブランド「ビームス」が展開する葉山の「BY THE SEA」などは、一般の人は立ち入れない隠れ家的な優越感があり、テラスやジャグジーを備えた別荘のような豪華さが魅力です。こうした場所を友人の縁や会社の制度を利用して訪れることが、彼らにとってのステータスとなっています。
さらに、星野リゾートなどの高級宿に社員割引でお得に宿泊したり、会社所有のキャンピングカーで週末を過ごしたりと、賢く贅沢を享受するのが現代流です。私自身の視点としても、単なるブランド信仰ではなく、自分たちにとっての「納得感」や「体験の質」を重視するこの傾向は、非常に合理的で成熟した消費文化だと感じます。
現代の若者が求めているのは、清潔で心地よく、そして何より「非日常」を味わえる空間です。単に写真が撮れるだけでなく、そこに特別な体験が伴ってこそ、彼らの定番スポットとして選ばれ続けるのでしょう。2019年の夏、アートと福利厚生を賢く使いこなす彼らのスタイルから、今後も目が離せません。
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