中部地方の観光ビジネスが、かつてない活況を呈しています。帝国データバンク名古屋支店が発表した最新の業績調査によれば、愛知・岐阜・三重の3県でレジャー施設を運営する主要40社の2018年度における総売上高は、1582億円に達しました。これは前回調査と比較して3%の増加となり、2期連続で右肩上がりの成長を記録していることが分かります。
この好調な数字を支えている背景には、現代の消費トレンドである「コト消費」の浸透があります。コト消費とは、単に物品を購入するのではなく、その場でしか味わえない体験や思い出作りに価値を見出す消費形態を指す専門用語です。さらに、日本を訪れる外国人観光客、いわゆるインバウンド需要が劇的に拡大したことも、各地の施設にとって強力な追い風となりました。
SNS上でもこの盛り上がりは顕著に表れており、「名古屋周辺の観光スポットが最近どこも混んでいる」「新しい施設が増えて週末の行き先に困らない」といった好意的な意見が多く見受けられます。特に写真映えを意識したスポットや、家族で一日中楽しめる体験型コンテンツに対する注目度は、日を追うごとに高まっている印象を強く受けます。
空港がレジャーの主役に?中部を牽引する巨大施設の躍進
ランキングの頂点に立ったのは、2019年現在も圧倒的な存在感を放つ中部国際空港(愛知県常滑市)です。売上高は前年比9%増の635億円という驚異的な数字を叩き出しました。航空利用客の増加はもちろんですが、2018年10月12日に誕生した複合型商業施設「フライト・オブ・ドリームズ(FOD)」の開業が、大きな起爆剤となったことは間違いありません。
ボーイング787の実機を展示し、デジタルアートと融合させたこの施設は、単なる待ち時間のつぶし場所ではなく、目的地としての空港という新しい価値を提示しました。飛行機を間近に眺めながら食事を楽しむという贅沢な体験が、多くのファミリー層や航空ファンの心を掴んだのでしょう。こうした「体験の付加価値化」こそが、今のレジャー産業における勝ち筋だと言えます。
続く第2位には、2019年現在もモータースポーツの聖地として知られる三重県鈴鹿市のモビリティランド(鈴鹿サーキット)が271億円でランクインしました。前年比5%増という安定した成長を見せています。一方で、第3位の長島観光開発(ナガシマスパーランド)は248億円と、前年から2%の微減となりましたが、依然として地域を代表するレジャー拠点であることに変わりはありません。
編集者の視点から分析すると、これからのレジャー施設には、単なる「場所の提供」以上の戦略が求められるでしょう。中部3県はポテンシャルが非常に高く、今後も独自の文化や最新技術を掛け合わせた新しいエンターテインメントが誕生するはずです。地域の魅力を再発見し、それを世界へ発信していく力が、さらなる増収の鍵を握るのではないでしょうか。
コメント