日本のスタートアップ(新興企業)の国際的な飛躍を力強く後押しする新たな動きとして、国際的なNPO(非営利組織)、グローバル・テック・アドボケイツが、日本拠点「テック・ジャパン・アドボケイツ」を東京・渋谷に設立いたしました。この団体は、起業家や投資家、そして支援者からなる国際的なネットワークを構築することを目的としており、海外拠点との密接な連携を通じて、国内スタートアップの国際展開を強力にサポートする狙いです。この取り組みは、日本の技術とビジネスを世界に広げる重要な一歩となるでしょう。
このテック・ジャパン・アドボケイツには、先端技術への関心が高い起業家や投資家の方々に加え、スタートアップとの協業(協力して事業を行うこと)を積極的に進めたい大手企業なども参加できます。注目すべきは、加入費用は一切不要という点で、参加者には、その代わりに起業家への助言といった自発的な支援活動が求められる仕組みとなっています。このような相互扶助の精神に基づくネットワークは、日本のイノベーションのエコシステム(生態系)の拡大に大きく貢献すると私は考えます。
具体的な活動内容としては、スタートアップに対して適切な投資家や支援者を紹介するマッチングの場を提供するほか、フィンテック(金融とIT=情報技術を組み合わせたサービス)やデータサイエンス(データ分析の技術)などをテーマにした定期的な勉強会を開催する予定です。特に、日本の高い技術力と金融分野のノウハウを融合させたフィンテックは、今後世界市場で大きな可能性を秘めていると期待できます。また、データサイエンスを学ぶ機会は、企業のデータ活用能力を飛躍的に高めることにつながるでしょう。
グローバル・テック・アドボケイツは、米国や中国、フランスなど世界各国にすでに拠点を展開しており、日本は14カ所目となります。このネットワークには、全世界で1万2000人もの参加者がいるという巨大なコミュニティが形成されているのです。日本のスタートアップは、このネットワークを通じて海外の投資家や企業と簡単につながる機会を得ることができ、積極的な海外進出を促されることになります。この世界的なプラットフォーム(基盤)への参画は、国内の新興企業にとって計り知れない価値があるはずです。
この団体は、通話ソフト「スカイプ」の元幹部であり、新興企業に私財を投じるエンジェル投資家として知られるラス・ショー氏が、2013年に設立した「テック・ロンドン・アドボケイツ」を母体としています。今回来日したショー氏は、日本のスタートアップに対して「自国の市場にも一定の規模はあるが、今後は海外展開を考えていくことが課題だ」と明確に指摘されています。この言葉は、国内市場に留まらず、世界を見据えたビジネス展開の重要性を示唆していると言えるでしょう。
ショー氏は、ロンドンで最大級のスタートアップ関連イベント「ロンドン・テック・ウィーク」にも深く関わっておられます。同氏は、「フィンテックや(健康とITを組み合わせる)ヘルステックなどの分野で、日本と英国の新興企業の協業が生まれることに期待している。日本でスタートアップのエコシステムの拡大に貢献したい」と、2019年6月12日の時点でお話しになっていました。この国際的な連携は、日本のスタートアップの潜在能力を最大限に引き出し、世界市場での競争力を高める起爆剤となるに違いありません。私も編集者として、日本のスタートアップが世界で活躍する未来を心から応援したいものです。
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