2019年6月11日、秋田県能代市で、風力発電の電力を用いて製造した水素とガスを混合し、一般家庭のガス機器に供給する実証実験の設備が稼働を開始しました。この取り組みは、環境省の事業として採択されたもので、NTTデータ経営研究所(東京・千代田)などが参画する共同事業者によって進められています。この画期的な実験は、再生可能エネルギー、つまり太陽光や風力といった自然の力を利用した発電を活用することで、水素の製造から輸送に至る過程で排出される**二酸化炭素(CO2)**を削減し、低炭素化を実現するとともに、未来のエネルギーとして期待される水素の実用化を加速させることを目指しているのです。
実験に使用される電力は、能代市に拠点を置く大森建設などが出資する風の松原自然エネルギーが運営する風力発電設備から供給されます。このクリーンな電気を使い、水を電気分解する技術、すなわち水電解によって水素が製造されます。ここで作られた水素は、熱量(ガスが燃焼するときに出すエネルギーの量)が高いとされる秋田県産の天然ガスを想定したガスと混ぜ合わせられます。この混合ガスは、現在広く利用されている都市ガスの規格「13A」に適合させる形で製造されますので、私たちが普段使っているガスコンロや給湯器、ファンヒーターなどの市販のガス機器でそのまま利用できるという点が非常に重要です。将来的には、この実験が、県内で採れる天然ガスのより効果的な活用にも繋がることが期待されています。
具体的な実験設備では、水素を毎時2.5立方メートルという量で製造することが可能です。この水素を、ガスに対して2%から10%超という様々な割合で混ぜ合わせ、実際に燃焼させた際の燃焼度合いや、ガス機器への影響、具体的には機器の傷み具合などを細かく検証していきます。この検証を通じて、水素の製造・輸送段階でのCO2排出量を削減しつつ、新たなエネルギー源としての水素の需要開拓の可能性を探ることが最大の目的です。水素は燃焼してもCO2を出さないクリーンなエネルギーであるため、その利用拡大は地球温暖化対策に大きく貢献するでしょう。
開所式では、共同事業者を代表してNTTデータ経営研究所の川島祐治社長が、「全国の都市ガス事業者にも、このようなクリーンなエネルギーへの取り組みを広げていきたい」と意欲を表明しました。これは、秋田県能代市での成功事例を足がかりに、全国的なエネルギーインフラの変革を目指すという強い意思の表れでしょう。また、実験に対する市民の理解を深めるため、水素の安全性について学ぶ公開講座も計画されているとのこと。新しい技術の導入には、専門用語である水素の安全性(例:引火性、拡散性)に対する正確な知識が不可欠であり、市民への啓発活動は極めて重要であると私は考えます。
この能代市の挑戦に対して、SNS上でも大きな反響が見受けられました。「風力発電の電力で水素を作るのは、まさに地産地消のクリーンエネルギーだね!」「都市ガスに混ぜて使えるなんて、実用化への道のりが現実的だ」といった期待の声や、「実験で安全性をしっかり確かめて、ぜひ全国に広げてほしい」という要望が多く寄せられています。この実証実験は、エネルギーの安定供給と環境保全という二律背背反しがちな課題を両立させる革新的なモデルケースとして、再生可能エネルギー分野における大きな一歩となるでしょう。将来的には、日本のエネルギー自給率向上と脱炭素社会の実現に不可欠な水素エネルギーの普及が加速することを強く期待しています。
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