宮城県を中心に活動する生活協同組合、みやぎ生協(仙台市)が、2019年度の経営見通しを発表しました。その内容は、供給高(一般的な企業の売上高に相当する、生協の主要な事業規模を示す数値)が前年度に比べて3パーセント増の1,300億円に達する見込みという、力強い成長を予感させるものです。この成長を牽引するのは、加入者宅へ定期的に商品を届ける「共同購入」事業のさらなる拡大だと考えられています。
共同購入は、生協の組合員がカタログなどを見て商品を注文し、決められた曜日にまとめて配送する事業のことです。みやぎ生協は、この共同購入の供給高を前年度比3パーセント増の397億円まで伸ばす計画を持っています。特に注目すべきは、2018年から開始されたインターネットを通じた注文・購入の仕組みです。これにより、いつでもどこでもスマートフォンやパソコンから手軽に注文できるようになり、組合員にとって利便性が格段に向上しました。
このインターネットを活用した取り組みは、単に利便性を高めるだけでなく、生協の新たな顧客層を獲得するための戦略的な一手となっています。ネット広告を積極的に展開することで、これまで生協の主な利用者であった高齢者層だけでなく、子育て中の若い世代の利用拡大を目指しているのです。SNS上でも、「生協の注文がスマホでできるのは便利」「忙しい子育て世帯には助かる」といった声が見受けられ、ネット対応への期待感は高まっているようです。
一方で、経常余剰金については40パーセント減の3億6,000万円となる見通しです。経常余剰金とは、事業で得た収益から事業にかかった費用を差し引いた、いわゆる利益に当たる部分のことです。この大幅な減少には、2019年3月に実施した生活協同組合コープふくしま(福島市)および福島県南生活協同組合(福島県矢吹町)の吸収合併に伴う、事業基盤強化のための先行投資が影響しています。
具体的には、旧コープふくしまの瀬上店と桑折店の建て替え費用が大きくかさんでいる状況です。店舗のリニューアルは、地域の組合員へのサービス向上と事業継続には欠かせない投資であり、一時的に利益が減少しても、将来的な供給高のさらなる増加や組合員満足度の向上につながるでしょう。両店舗の再開は2019年秋の見通しであり、その後の業績への寄与が大いに期待されます。
今回の発表から、みやぎ生協が目指すのは、単に事業規模を大きくするだけでなく、時代に合わせたサービスへと進化していく姿勢だと強く感じられます。共同購入のインターネット化や子育て世帯へのアプローチは、少子高齢化が進む社会において、地域密着型である生協が持続的な成長を遂げるための重要な鍵となるでしょう。デジタル化と地域共助の精神を融合させた、みやぎ生協の新しい挑戦に注目していきたいと考えます。
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