韓国・中国の訪日客に異変?2019年インバウンド消費の行方と日本経済への影響

安倍政権が掲げる経済政策「アベノミクス」において、最も目覚ましい成果を収めてきたのが「観光立国政策」ではないでしょうか。しかし、順調に見えたこの道のりに、2019年8月19日現在、不穏な影が差し始めています。これまで日本の街を彩ってきた外国人観光客の足取りに、かつてない変化が生じているのです。

特に深刻なのは、冷え込む日韓関係の影響をダイレクトに受けている韓国からの訪日客数です。2018年には754万人を記録し、中国に次ぐ規模を誇っていましたが、2019年1月1日から6月30日までの上半期には前年同期比で3.8%減少しました。最近では、地域によって前年比10%も落ち込む事態に陥っています。

この事態を受けて、格安航空会社(LCC)を中心に日韓を結ぶ路線の運休や減便が相次いで発表されています。SNS上では「旅行先を日本から他国へ変更した」という投稿が目立ち始めており、政治的な対立が民間交流の場にまで深く浸透している様子が伺えます。空の便が細ることは、地域経済にとって極めて大きな痛手となるでしょう。

実際に、地理的に近く韓国人観光客の恩恵を受けてきた福岡地区の百貨店では、韓国人による買い上げ額が3割近くも急落しました。インバウンド消費とは、訪日外国人による日本国内での消費活動を指す言葉ですが、まさにこの「外需」に頼り切っていた地方の商業施設は、今まさに存亡の機に立たされているといっても過言ではありません。

スポンサーリンク

為替の変動と消費増税がもたらすダブルパンチの懸念

懸念は韓国市場に留まりません。最大勢力である中国からの訪日客にも、暗いニュースが届いています。背景にあるのは米中貿易摩擦の激化に伴う「人民元安」と、安全資産とされる「円」が買われる「円高」の進行です。爆買いが社会現象となった2015年夏と比較すると、現在は1元あたり約5円も円高に振れています。

旅行者が半年先の旅程を計画することを考えれば、ターゲットは2019年10月1日以降の秋冬シーズンとなります。この時期、日本は消費増税のタイミングと重なります。化粧品などの免税品は税率変更の影響を受けませんが、旅行の基本コストである宿泊費や交通費、そして飲食代の負担が増すことは避けられない事実です。

家計を預かる旅行者にとって、円高と増税のダブルパンチは日本を敬遠する十分な理由になり得ます。SNSでも「日本旅行が高くなった」との声が漏れ聞こえており、爆買いのような旺盛な消費は過去のものとなりつつあります。これまで百貨店の業績を支えてきた「基礎票」とも言える訪日客が、根底から揺らいでいるのです。

私は、特定の国に依存しすぎる観光政策の危うさが、今まさに露呈していると感じています。外交関係が悪化するたびに観光業が振り回される現状を打破するには、多角的な誘致戦略が不可欠です。インバウンド消費という名の「外からの風」を待つだけでなく、自国の魅力を見つめ直し、安定した収益構造を築く知恵が求められています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました