🔥 法人税が消える?デジタル経済の「底辺への競争」に挑むG20財務相会議の行方 🔥

世界的に企業の利益が拡大しているにもかかわらず、各国で法人税収が思うように伸びないという現象が、近年さらに顕著になっています。これは、国境を越えて活動するデジタル経済の進展により、企業の活動が従来の国の捕捉範囲を飛び越え、より税率の低い「底辺」へと納税先を移しているためと考えられます。2019年6月8日から福岡市で始まったG20財務相・中央銀行総裁会議では、この喫緊の課題に対し、まさに正面から切り込んでいますが、各国間の利害が複雑に絡み合う中で、具体的な合意に至るかどうかの見通しは不透明な状況です。

QUICK・ファクトセットのデータに基づいて、世界の時価総額上位100社の利益と法人税の負担額を分析すると、2000年代までは利益の増加に比例して税負担額も増えるという関係性が強く見られました。しかし、2010年代に入ると、この連動性が崩れてしまいます。世界の上場企業が支払う税引き前利益に対する税負担の比率は、2000年の30%強から、2018年には23%へと急激に低下しており、企業側の税負担は大幅に軽減されていると言えるでしょう。

この税負担軽減の大きな要因として指摘されているのが、「Race to the bottom(底辺への競争)」と呼ばれる、国際的な税率引き下げ競争です。例えば、アイルランドでは法定税率を2003年までに12.5%まで引き下げました。その結果、2017年の税・社会保険料に占める法人税収の割合は、経済協力開発機構(OECD)平均の約8%を上回る12%超に達し、税収を増加させることに成功しています。スイスなども減税を実施した後に法人税収の割合を高める結果となりました。

これに続き、欧州の主要国も税率引き下げに乗り出し、2018年には米国が連邦法人税率を一気に21%まで下げるという大きな動きを見せました。これらの国々は、減税を梃子(てこ)にして企業活動を刺激し、最終的に税収増へと結びつけるという「負けるが勝ち」の成功パターンを狙ったわけですが、期待通りに税収を伸ばせずにいる国も少なくありません。

税収が伸び悩む背景には、経済のデジタル化が深く関わっています。https://www.google.com/search?q=Google%E3%82%84Amazon.comといった巨大なデジタル企業が生み出す価値の源泉は、工場などの「モノ」を中心としていた製造業が主役だった時代から、ブランド、ノウハウ、そして顧客データといった無形資産へと変化しています。工場などの物理的な拠点を持つ製造業であれば、どこで利益を上げているのかを比較的容易に把握できますが、デジタル企業の場合、サービス利用や資金の流れが非常に見えにくいのです。さらに、知的財産権を税率の低い国へ移転し、各国にある現地法人がそこへ使用料を支払うという仕組みを利用すれば、大胆な節税が可能になってしまいます。

それだけでなく、デジタル経済は、プラットフォームや基盤を制した企業が圧倒的な利益を得るという「勝者総取り」の世界です。国際通貨基金(IMF)が27カ国の約100万社を調査したところ、2000年以降、収益の上位1割を占める特定企業群が収益を3割以上伸ばす一方で、その他の企業は横ばいに留まっていることが判明しました。この結果は、ごく一部の巨大デジタル企業が莫大な利益を上げているにもかかわらず、その利益に見合った税収が各国で得られていない現状を裏付けています。

日本においては、消費増税が段階的に進んでいるため、税収全体に占める法人税の割合が高く出やすい傾向がありますが、これはまだ旧来型の産業が中心で、所得が捕捉しやすいという側面があるためです。しかし、今後デジタル化がさらに加速すれば、日本も安閑とはしていられなくなるでしょう。

2019年6月8日に始まったG20会議では、デジタル経済に対する課税の国際ルールを見直すことが主要なテーマの一つとなりました。会議に先立って行われたシンポジウムでは、議長を務めた麻生太郎財務相が「各国が共通のアプローチを取るべきだ」と国際協調の必要性を強く訴え、これに対し米国のムニューシン財務長官も「我々には強いコンセンサスがあると思う」と賛同の意を示しました。デジタル課税に対する国際的な問題意識は高まっており、SNS上でも「企業が公平に税を納める仕組みは早急に必要だ」「税金が特定の国に吸い取られている現状は不公平」といった、ルールの早期構築を望む声が多く見受けられます。

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デジタル課税の国際協調は正念場を迎える

国際的な課税ルールが目指す方向性としては、物理的な拠点やモノの取引がなくても、サービスの利用者が多い場所へ税金が配分されるようにする点が挙げられます。また、際限のない税率引き下げ競争を防ぐため、世界共通の最低税率を設定する案も検討されています。ここでいう「最低税率」とは、各国の法人税率が一定の水準を下回らないようにするための共通ルールであり、これによって「底辺への競争」を終わらせることが期待されています。

各国間には、ルールの適用範囲や税収配分の方法など、依然として多くの対立点が存在しますが、G20では2020年1月までの大枠合意を目指すとしています。この「フクオカ」の地が、新たな課税ルール構築に向けた大きな弾みをつける場所として、歴史に名を残せるのかどうかが、今、国際協調の正念場を迎えていると言えるでしょう。私は、デジタル経済の恩恵が広く人類にもたらされている以上、その利益に対する課税も特定の国ではなく、世界全体で公平に分配されるべきだと強く考えます。この国際的な合意形成は、現代の経済構造に合わせた、公正な社会基盤を築くための重要な一歩となるに違いありません。

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