2019年08月21日の東京株式市場において、電線大手の古河電気工業の株価が冴えない展開となりました。一時は前日比で3%安となる2293円まで値を下げ、市場には動揺が広がっています。この下落の引き金となったのは、大手証券会社2社が相次いで同社の目標株価を引き下げたというニュースでした。
「目標株価」とは、証券アナリストが企業の業績や成長性を分析し、将来的に到達すると予想する価格を指します。この指標が下方修正されたことで、多くの資金を動かす「機関投資家」たちが一斉に売り注文を出したようです。結果として、この日の終値は2321円となり、売買の活発さを示す売買代金は前日の1.5倍にまで膨れ上がりました。
今回の評価引き下げの背景には、同社の主力である光ファイバー事業の採算が悪化することへの強い懸念があります。特に、世界最大の市場である中国での景気減速が大きな影を落としているのです。中国国内で供給過剰となった安価な光ファイバーが、同社が注力する北米市場にも流入し始めており、収益を圧迫する構図が浮き彫りになっています。
野村証券は2019年08月20日付のリポートで、目標株価をこれまでの3100円から2530円へと大胆に引き下げました。時を同じくして、SMBC日興証券も3100円から2500円へと変更しています。専門家の目から見ても、現在の光ファイバー市場を取り巻く「需給(需要と供給のバランス)」の乱れは、予想以上に深刻であると判断されたのでしょう。
SNS上では、今回の急落に対して「古河電工、どこまで下がるのか不安」「5Gへの期待はあるけれど、今は地合いが悪すぎる」といった悲観的な意見が目立ちます。その一方で、「PERがここまで低いなら、むしろ買い場ではないか」という、逆張りの視点を持つ投資家たちの声も少しずつ増えているのが印象的でした。
ここで注目したいのが「PER(株価収益率)」という指標です。これは、株価が1株当たりの利益の何倍まで買われているかを示すもので、一般的に数値が低いほど割安とされます。現在の古河電気工業のPERは7倍台であり、過去5年間の平均である15倍台と比較しても、歴史的な低水準にあることは間違いありません。
ライバルである住友電気工業やフジクラといった同業他社と比較しても、現在の株価に過度な割高感は見受けられません。国内の資産運用会社からは「売りが一巡した後は、安値を拾う動きも出てくるだろう」という、冷静な分析も聞こえてきます。どん底に近い水準だからこそ、反発を期待する層も確実に存在しているのです。
私個人の見解としては、光ファイバーは次世代通信規格「5G」の普及に欠かせないインフラであり、長期的には需要が回復する余地は十分にあると考えています。短期的な需給悪化は避けられませんが、技術力のある同社がこのまま沈むとは考えにくいでしょう。今は耐え時ですが、賢明な投資家にとっては注目の局面と言えるはずです。
2019年08月15日には約3年ぶりの安値を記録するなど、苦しい展開が続く古河電気工業。しかし、企業の真価は逆風の時にこそ問われるものです。中国市場の動向や北米での価格競争を注視しつつ、投資のタイミングを慎重に見極める姿勢が、今の私たちには求められているのではないでしょうか。
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