日本の建設機械業界を牽引するコマツが、次世代の成長に向けてアクセルを力強く踏み込みました。2019年08月22日、同社が発表した中期経営計画からは、これまでの「建機を売る」というビジネスモデルから、最先端テクノロジーを駆使したサービス業へと脱皮しようとする強い意志が感じられます。
2019年04月に就任した小川啓之社長は、2019年度から2021年度までの3カ年計画において、建機需要の劇的な伸びが見込めない現状を冷静に分析しました。その上で、持続的な成長には既存の枠組みを超えた「プラスアルファ」の価値が不可欠であると説き、新たな挑戦への幕を開けたのです。
建設現場を変える「CASE」と驚異の投資戦略
今回の戦略の柱となるのが、自動車業界でも注目されている「CASE」というキーワードです。これは「コネクテッド(接続)」「自動運転」「シェアリング」「電動化」の頭文字を取ったもので、コマツはこれらを建設現場に最適化させることで、圧倒的な競争力を生み出そうとしています。
具体的には、あらゆる機器をインターネットで結ぶ「IoT」や「人工知能(AI)」といった分野へ、1600億円という巨額の投資を断行します。IoTとは、モノがネットを通じて情報をやり取りする仕組みで、これにより建機の稼働状況をリアルタイムで把握し、現場の効率を劇的に高めることが可能になるでしょう。
さらに注目すべきは、NTTドコモとの強力なタッグです。2020年にも開始予定の新サービスでは、自社製品だけでなく他社製や中古の建機までもデジタル化し、スマートな現場管理を実現します。画像認識AIを用いた安全性向上や、環境に優しい小型建機の電動化も並行して進める方針を固めました。
ライバルを突き放す「ダントツ」の数値目標とSNSの反応
世界市場では、米国のキャタピラーや中国の三一重工といった強豪がひしめき合い、単なる性能差だけではない「知能化」の競争が激化しています。この荒波の中でコマツは、自己資本利益率(ROE)10%以上という高い目標を掲げました。ROEは、株主から預かった資本をどれだけ効率よく利益に変えたかを示す指標です。
業界内でも突出した営業利益率を維持し続ける「ダントツ」の姿勢に対し、SNS上でも大きな反響が寄せられています。「建機もついにスマホのようにアップデートされる時代が来た」「ドコモとの連携は現場の通信環境を変える画期的な一歩だ」といった期待の声が、投資家や現場関係者の間で広がっているようです。
私自身の見解としても、コマツのこの決断は、日本の製造業が生き残るための理想的なロールモデルになると確信しています。ハードウェアの品質に甘んじることなく、ソフトウェアやネットワークの力で顧客の課題を解決する姿勢こそが、次世代の「ものづくり」に求められる真の姿ではないでしょうか。
今後、私たちの街づくりを支える黄色い建機たちが、AIという脳を得てどのように進化していくのか、その動向から目が離せません。今回の野心的な中期経営計画が、世界中の建設現場にどのような魔法をかけるのか、これからの3年間に大きな期待を寄せたいと思います。
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