2019年08月28日から2019年08月30日にかけて、神奈川県横浜市にて「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)」が華やかに幕を開けます。日本政府が主導するこの国際会議は、国連や世界銀行などと共催されるビッグイベントです。アフリカ54カ国の代表が一堂に会する光景は、まさに圧巻の一言に尽きるでしょう。安倍晋三首相も過密なスケジュールの中で、数多くの首脳会談に臨む予定となっています。
今回の会議で最大のキーワードとなるのが「ビジネス」です。アフリカは今、アジアに続く「地球最後の成長センター」として世界中から熱い視線を浴びています。SNS上でも「ついにアフリカの時代が来た」「日本の技術力が試される時」といった期待の声が広がっており、民間企業の関心もかつてないほど高まっています。まさに、アフリカの未来を共に描くための重要な三日間が始まろうとしているのです。
巨大市場アフリカのポテンシャルと日本の狙い
アフリカの人口は、2050年には現在の約2倍となる25億人に達し、世界全体の4分の1を占める計算になります。これは単なる数字ではなく、膨大な「労働力」と「消費市場」の誕生を意味しているのです。さらに、石油や天然ガス、レアメタルといった天然資源の宝庫である点も見逃せません。日本政府は、こうした成長の波に日本企業の進出を後押しすることで、互恵的な関係を築こうと画策しています。
ここで重要なのが「政府開発援助(ODA)」の存在です。これは、政府が発展途上国の経済発展を支援するために行う資金や技術の提供を指します。かつてのアジアにおいて、日本のODAと企業の進出が経済発展の起爆剤となった成功体験を、今度はアフリカで再現しようという壮大な構想が描かれています。インフラ整備や人材育成を通じて、アフリカを日本の新たなパートナーへと育て上げることが期待されているのです。
実際に、アフリカに進出する日系企業の拠点は、2010年の520から2017年には796へと着実に増加しています。しかし、世界に目を向けると日本の存在感はまだ十分とは言えません。2017年の対アフリカ直接投資残高を比較すると、首位フランスの640億ドルに対し、日本はわずか87億ドルです。貿易額でも中国が圧倒的なシェアを握っており、日本は輸出入ともに2%を割り込むという厳しい現実に直面しています。
四半世紀の歩みと国際的な主導権争い
日本がTICADを初めて開催したのは、1993年のことでした。冷戦が終結し、欧米諸国のアフリカへの関心が薄れる中で、日本は国際社会への貢献を示すためにこの枠組みを立ち上げたのです。当時はアフリカ全体をテーマにした国際会議自体が珍しく、日本にとって極めて重要な「外交資産」となりました。アフリカ諸国は国連加盟国の約4分の1を占めるため、国際イベントの招致などでもその支持は欠かせない力となります。
しかし、21世紀に入ると状況は一変します。欧州連合やインド、そして中国が競うようにアフリカとの会議を立ち上げ、資源確保や投資を加速させています。特に中国は2018年のフォーラムで、3年間で600億ドルという巨額の経済協力を表明しました。2019年10月にはロシアも初のサミットを予定しており、アフリカを舞台にした各国の主導権争いは、今まさに激しさを増している真っ最中なのです。
こうした中、日本もTICADの機能を強化しています。2016年には初めてケニアで会議を開催し、開催頻度も5年から3年ごとに短縮しました。資金力で中国に対抗するのは容易ではありませんが、日本は「質の高い成長」を掲げ、民間投資を軸にした支援で差別化を図っています。今回の横浜での会議では、100を超えるシンポジウムが予定されており、民間企業が主役となる新たなステージへと進化を遂げようとしています。
私は、このTICAD7こそが日本の「真価」を問う試金石になると考えています。現在、一部のアフリカ諸国では中国からの巨額融資による「債務問題」が表面化しており、持続可能な発展を求める声が強まっています。今こそ、日本が得意とする丁寧な人材育成や、現地のニーズに寄り添った技術協力が輝く時ではないでしょうか。この三日間が、日本とアフリカの絆をより強固なものにすることを切に願っています。
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