2019年6月9日、死刑囚として初めて再審無罪を勝ち取った免田栄さん(当時93歳、福岡県大牟田市在住)が、「冤罪(えんざい)で苦しむ人々を救済する助けになれば」という強い願いを込めて、ご自身の再審に関する極めて重要な資料を熊本大学に寄贈されました。熊本大学側は、これらの資料を「再審という制度に対する、過去における国の考え方がうかがえる貴重な資料だ」と高く評価しているとのことです。
今回の寄贈は、福岡県大牟田市内の別々の施設に入居されている免田さんと、妻の玉枝さん(当時82歳)が、段ボール箱およそ20個にも及ぶ膨大な資料の保存に苦慮され、熊本日日新聞の記者に相談されたことがきっかけでした。「より多くの人々に目を通してもらえるように」と、資料の寄贈先として大学を選ばれた経緯があるのです。免田さんのこの行動は、後世のために歴史的資料を遺すという、素晴らしい功績であると私は考えます。
特に注目すべきは、免田さんが死刑判決確定後の1952年10月7日付で、収監先である福岡刑務所が免田さんの父親に宛てた手紙です。裏側が透けて見えるほど薄い紙にペン字で記されたその文書には、「再審請求を致して居りますのでその手続が終了し且、法務大臣の命があるまで死刑執行されないのです」といった内容が明記されていました。
この手紙から推察できるのは、当時、再審請求を行っているという事実が、死刑執行を一時的に停止する理由として認識されていた可能性があるということです。近年、国は「再審請求は死刑執行停止の理由には当たらない」との見解を示しており、この当時の認識とは異なっていたものと考えられます。時代の変遷とともに、国の法解釈や見解がどのように変わってきたのかを具体的に示す、歴史的な証拠となり得るでしょう。
さらに、この手紙には、死刑執行後の**「火葬手続料」を800円に値上げする旨も通知されており、当時の社会状況や、死刑という刑罰をめぐる手続きの細部までを垣間見ることができます。このような一次資料**は、法学や歴史学の研究において、非常に大きな価値を持つに違いありません。
このニュースは、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「免田さんが再審無罪を勝ち取ってくださったおかげで、今の再審制度がある。その功績は計り知れない」「冤罪で苦しむ人への思いが伝わる、感動的な寄贈だ」といった、免田さんのご尽力に対する感謝と敬意を表する意見が多く見受けられました。また、「国の死刑執行をめぐる見解の変遷が、これほど鮮明にわかる資料があったとは」と、資料の持つ歴史的価値に驚きの声も上がっております。
免田さんの長年にわたる冤罪との闘い、そしてその経験を、未来の冤罪救済のために役立てたいという強い意志には、心から敬服いたします。今回寄贈された資料が、今後の法学研究や教育に活用され、日本の刑事司法における公正さの実現に貢献することを、メディア編集者として強く期待する次第です。
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