笹本玲奈が語る「母との絆」と女優の魂|元宝塚の母・四季乃花恵から受け継いだ至高の所作と家族の物語

13歳という若さでミュージカル『ピーターパン』の主役を射止め、華々しいデビューを飾った笹本玲奈さん。それから約20年もの間、彼女は日本のミュージカル界を牽引するトップランナーとして走り続けてきました。そんな彼女の原点は、子どもたちが全力でパフォーマンスを繰り広げる『アニー』の舞台に心を奪われた経験にあります。当時からダンスと歌には並々ならぬ自信を持ってオーディションに挑んでいたというエピソードからは、彼女の類まれなる才能と情熱が伺えますね。

デビュー以来、数多くの大舞台でヒロインを演じてきた笹本さんですが、実は意外なことに仕事に関する具体的な助言を母親から受けることはほとんどなかったそうです。彼女の母親は、元宝塚歌劇団で娘役として活躍した四季乃花恵さん。同じ女優の道を歩む親子でありながら、それぞれの個性を尊重し見守り続けるという、プロフェッショナル同士の絶妙な距離感が保たれていたのでしょう。こうした自立した関係性が、笹本さんの芯の強さを育んだのかもしれません。

しかし、2018年に上演された舞台『マリー・アントワネット』において、その関係に変化が訪れました。笹本さんは初めて、母親に対して演技の意見を求めたのです。四季乃さんはかつて、宝塚歌劇団の不朽の名作『ベルサイユのばら』で同じマリー・アントワネット役を演じた経験がありました。ここで伝えられたのは、単なるセリフの言い回しではなく、貴族としての品格を漂わせるための「ドレスのさばき方」や「扇を使った繊細な感情表現」といった、経験者にしか語れない極意でした。

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役と自分を繋ぎ止める「家族という場所」

『レ・ミゼラブル』のエポニーヌや『ミス・サイゴン』のキムといった重厚な役を演じる際、笹本さんは自分自身を消し去るほど役に没入します。特に「ロングラン」と呼ばれる長期にわたる連続公演期間中は、日常生活よりも舞台上で役として生きる時間の方が長くなってしまいます。感情を極限まで高ぶらせる日々の中で、彼女の精神的な支えとなっていたのは、意外にも地下鉄千代田線に揺られて帰宅する、千葉県の実家での日常的なひとときでした。

どれほど劇場の拍手を浴びるスターであっても、家に戻れば一人の娘であり、妹に戻ります。両親や姉が「特別な女優」としてではなく、ありのままの「家族の一員」として接してくれたことが、高まった感情をリセットするための重要な鍵となりました。この環境があったからこそ、彼女は自分自身を見失うことなく、過酷な公演を戦い抜くことができたのでしょう。家族の変わらない愛情が、彼女の表現力の源泉となっていることは間違いありません。

SNSの反響を見ても、彼女の家族愛に感動する声が多く寄せられています。「お母様と同じ役を演じるなんて、まさに運命的」「実家でのリセットが素晴らしい演技に繋がっている」といった、彼女の人間味あふれるエピソードに共感するファンが後を絶ちません。現在、家族間ではLINEを活用して些細な出来事も共有されているそうで、デジタルな時代にあってもその結束の固さは、2019年8月27日現在も変わらずに保たれています。

最近、笹本さんは宝塚時代の母親の姿を収めたDVDを鑑賞し、ある驚きを感じたといいます。画面の中で動く母親のしぐさや声のトーンが、今の自分に驚くほど似ていたのです。無意識のうちに受け継がれた血の繋がりの深さを再確認し、彼女は「親子なんだな」としみじみ実感したそうです。1985年生まれの彼女は、今まさに女優としての円熟味を増しており、その根底には脈々と受け継がれる「表現者のDNA」が息づいているのでしょう。

編集者として、私は笹本さんの強さは「謙虚な継承」と「確固たる日常」のバランスにあると感じます。伝統的な所作を母から学びつつ、日常では等身大の自分を大切にする姿勢は、全ての働く人々にとっても大きなヒントになるのではないでしょうか。2019年11月からは名作『ウエスト・サイド・ストーリー』への出演も控えており、テレビドラマ『ノーサイド・ゲーム』での活躍も含め、彼女が魅せる新たな境地から目が離せません。

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