トランプ氏が明かした本音!日米貿易交渉の「自動車追加関税」回避と農産品決着の舞台裏

フランス南西部のビアリッツで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、日米両政府が貿易交渉で大きな一歩を踏み出しました。2019年08月26日、ドナルド・トランプ米大統領は記者会見の場で、日本車に対する25%の追加関税について「現時点では検討していない」と明言したのです。この発言により、日本の基幹産業を揺るがしかねなかった深刻な懸念は、ひとまず回避される見通しとなりました。

今回の合意は、2019年09月下旬にニューヨークで開催予定の国連総会に合わせた首脳会談での署名を目指しています。もし秋の臨時国会で順調に承認されれば、年内にも協定が発効する可能性があるでしょう。SNS上では「ひとまず最悪の事態は免れた」と安堵する声がある一方で、「農産品でどれだけ譲歩したのか気になる」といった鋭い指摘も飛び交っており、国民の関心の高さがうかがえます。

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「通商拡大法232条」という名のカードと日本の攻防

日本側が最も警戒していたのは、米国が安全保障を理由に輸入制限を行う「通商拡大法232条」に基づく制裁措置でした。これは、軍事転用可能な技術だけでなく、経済の弱体化が国の安全を脅かすという解釈で発動される強力な権限です。トランプ政権は2019年11月を期限として発動の是非を検討してきましたが、交渉期間中はこれを棚上げするという約束を、実質的に守る形となりました。

米国は他国との交渉において、非常に厳しい条件を突きつけることで知られています。例えば、メキシコやカナダとの新協定「USMCA」では、輸出台数に枠を設ける「数量規制」や、自国の利益のために通貨価値を操作することを禁じる「為替条項」が盛り込まれました。韓国もまた、鉄鋼の輸出を制限されるなど、厳しい妥協を強いられています。これらと比較すれば、日本は極めて慎重に「防衛ライン」を死守したと言えるでしょう。

今回の焦点となった農産品については、環太平洋経済連携協定(TPP)の水準を上限とする市場開放で収拾が図られました。TPPとは、太平洋を囲む国々で関税をなくし、自由な貿易を促進するルールのことですが、米国はこの枠組みから離脱しています。当初、米側はTPPを超える開放を求めてきましたが、泥沼化する中国との貿易摩擦を背景に早期の成果を優先したため、日本側の主張が一定の理解を得る結果となったのです。

編集者が見る「 win-win」の裏側に潜む課題

菅義偉官房長官は2019年08月26日の会見で「米国に押し切られたという指摘は当たらない」と強調しました。確かに、他国の事例に比べれば日本の譲歩は限定的だったと評価できます。しかし、私は手放しで喜ぶべきではないと考えます。なぜなら、日本が求めていた「自動車本体にかかる2.5%の関税撤廃」は継続協議となり、先送りにされてしまったからです。これは、米国が依然として強力な切り札を手元に残していることを意味します。

トランプ氏の「今は考えない」という言葉は、あくまで「今は」という条件付きに過ぎません。選挙を控えた大統領にとって、貿易交渉は支持層への最高のアピール材料です。今後、再び自動車関税が交渉のテーブルに乗せられる可能性は否定できないでしょう。日本政府には、一時的な回避に満足せず、対等なパートナーとして日本の利益を永続的に守るための、さらに強かな外交戦略を期待したいところです。

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