トランプ氏が仕掛ける「爆速」日米貿易合意!自動車関税を封印し、農業州の支持獲得へ突き進む背景とは

2019年08月27日、フランス南西部のビアリッツで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、日米両政府が貿易協定の基本合意に達したことが大きな話題を呼んでいます。トランプ米大統領は、懸念されていた日本車への追加関税について「今は考えていない」と明言し、当面の危機は回避されました。この電撃的な合意の裏には、2020年11月に控えた米大統領選挙に向けた、緻密かつ強引なトランプ流の政治戦略が透けて見えます。

今回の交渉で米国側が強く求めたのは、トウモロコシをはじめとする農畜産品の日本への輸出拡大です。トランプ氏は、全米一のトウモロコシ生産量を誇るアイオワ州など、選挙戦の行方を左右する激戦区「農業州」での成果を何よりも優先しました。自らの支持基盤である農家に対して「日本への巨大な市場を開拓した」とアピールすることで、勢いづく民主党のライバル候補たちを牽制し、再選への足場を固める狙いがあるのは明白でしょう。

注目すべきは、通常であれば議会の承認を必要とする貿易交渉において、トランプ政権が「大統領権限」を駆使して早期発効を目指している点です。米国には「大統領貿易促進権限(TPA)法」という、議会が政府に交渉権限を一任する法律が存在します。これに基づき、9月末の署名という異例のスピード決着を図るため、関税を引き下げる特例措置の発動まで検討されており、トランプ氏の「スピード重視」の姿勢が際立っています。

SNS上では、このニュースに対して「日本の自動車産業が守られたのは大きい」という安堵の声が上がる一方で、「トウモロコシの大量購入は実質的な押し売りではないか」といった懸念の声も目立ちます。特に、米中貿易摩擦で販路を失った余剰在庫を日本が引き受ける形になったことに対し、外交的なパワーバランスを危惧する意見が散見されました。Twitter(現X)などでは「車とトウモロコシのバーター取引」というワードも飛び交っています。

私自身の見解としては、今回の合意はまさにトランプ氏による「政治的ディール(取引)」の典型例だと感じます。経済的な合理性以上に、目前の選挙を戦うための「勝てる材料」を急いで作り上げた印象が拭えません。日本側は自動車関税という最大の脅威をひとまず遠ざけることに成功しましたが、その代償として引き受けた農産物の輸入拡大が、国内の農業にどのような波紋を広げるのか、今後の詳細な協定内容を注視していく必要があるはずです。

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