皆さんは、ご自身の将来のお金について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。2019年6月13日、まさに今の私たちに突き刺さるようなテーマが話題となっています。それは「資産形成はマラソンのようなもの」という考え方です。人生100年時代と言われる現代において、資産形成とその取り崩しは、生涯という長い道のりを走るレースそのものと言えるでしょう。短距離走のように一瞬で勝負が決まるものではなく、長い時間をかけてペース配分を考えながら進む必要があるのです。
まず、スタートラインに立つ前の準備運動として、最低限知っておくべき知識がいくつかあります。一つ目は「複利」の力です。これは、投資で得た利益を受け取らずに再び投資に回すことで、雪だるま式に資産を増やしていく方法です。二つ目は「分散投資」です。一つのカゴに卵を盛るのではなく、幅広い資産に投資し、さらに投資する時期も分散させることで、リスクを大幅に減らすことができます。そして三つ目は、インフレへの対抗策です。物の値段が上がるインフレ率を上回る運用ができれば、将来使えるお金の実質的な価値を高めることができるのです。
税制優遇という「給水所」を最大限に活用する
いよいよマラソンのスタートです。ここで強力な武器となるのが、「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」といった国の制度です。これらは運用益が非課税になるなどの大きな税制優遇があり、いわばランナーを助ける特製ドリンクのようなものです。給与から自動的に引き落とす設定にしておけば、意思の力に頼らずとも、長期間にわたって淡々と金融資産を買い続けることができます。特に若い世代の方であれば、株式投資信託などを活用して、多少のリスクを取りつつ高いリターンを目指す攻めの走りが推奨されます。
長いレースの途中には、当然ながら山あり谷ありの展開が待っています。マーケットが大きく変動し、資産価値がガクンと減ってしまう時期も来るでしょう。しかし、そこで走るのをやめてはいけません。一時的な下落に落ち込むことなく、淡々と投資を継続することが、最終的なゴールへの近道なのです。退職というゴールテープを切った時、コツコツ積み上げた投資額と時間が、大きな報酬となって返ってきます。そこに退職金なども加われば、安心して次のステージへと進むことができるはずです。
退職後は「第二のレース」の始まり
退職はゴールであると同時に、次のレースのスタートでもあります。ここからは、これまで蓄えた資産を運用しながら、公的年金で足りない分を補うために、年間3~4%程度の比率で取り崩していく作業が始まります。現役時代とは異なり、資産を減らしすぎないようにコントロールする技術が求められるのです。ライフステージごとの出費の変化も考慮に入れましょう。退職直後は、現役時代に我慢していた旅行や趣味を楽しむために、少し多めにお金を使うかもしれません。
その後、年齢を重ねて中期に入ると、体力的・精神的な変化により行動範囲が狭まり、自然と生活費は低下していく傾向にあります。さらに後期になれば、医療や介護の費用が増えるものの、その他の活動費が減るため、トータルでの生活費はそれほど膨らまないとも言われています。このように、寿命よりも先に資金が尽きてしまう「長生きリスク」は、適切な計画と管理によって十分に回避可能だというわけです。
編集後記:SNSでの反応と私見
今回の記事に関して、SNS上では「マラソンという例えがしっくりくる」「3~4%ルールでの取り崩しは勉強になる」といった納得の声が多く上がっています。一方で、「今の給料では投資に回す余裕がない」「iDeCoの仕組みがまだ難しい」といった、現実的な悩みを吐露するユーザーも見受けられました。特に最近は老後資金に関する話題が世間を騒がせていることもあり、皆さん非常に敏感になっているようです。ゴールの見えない不安と戦っている様子が伝わってきます。
私個人の意見としても、この「マラソン」という比喩は非常に本質を突いていると感じます。短期的な株価の動きに一喜一憂して、途中で走るのをやめてしまうのが一番のリスクだからです。特に「つみたてNISA」や「iDeCo」は、一度設定してしまえば自動的に走れる優れた仕組みです。まずは少額からでも、靴紐を結ぶように投資を始めてみることが、将来の自分を助けることになるのではないでしょうか。
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