2019年8月28日、日経MJが発表した最新の調査結果によると、同年6月の百貨店売上実績は厳しい現実を突きつける内容となりました。特に主要10都市以外の地方百貨店においては、前年同月と比較して2.8%減という大幅な落ち込みを記録しています。この背景には、記録的な低温と長雨が続いた「天候不順」が大きく影を落としているようです。
例年であれば夏物衣料が飛ぶように売れる時期ですが、2019年の6月は肌寒い日が続き、季節商品の動きが鈍化しました。SNS上でも「いつまでも上着が手放せない」「夏服を買いに行く気分になれない」といった困惑の声が相次いでいます。こうした気象条件が消費者の購買意欲、いわゆる「消費マインド」に冷や水を浴びせ、店舗への足が遠のく要因となったのでしょう。
都市部でもインバウンド消費にブレーキ。衣料品・食料品ともに苦戦の様相
地方の苦境が目立つ一方で、これまで好調を維持してきた都市部の百貨店も、わずか0.1%減ながら前年を割り込みました。これは訪日外国人による「インバウンド消費」にかつての勢いが見られなくなったことが大きな原因です。いわゆる「爆買い」のフェーズが終わり、消費の質が変化している過渡期にあるのかもしれません。
具体的な商品カテゴリーを見ても、主力である婦人服や毎日の食卓を彩る食料品など、主要な項目が軒並みマイナスに転じています。ここで言う消費マインドとは、消費者が「今、お金を使いたい」と感じる心理状態のことですが、これが社会全体で保守的になっている点は無視できません。生活に密着した品目が売れない状況は、家計の財布の紐が固くなっている証拠と言えます。
編集者としての視点ですが、百貨店は今まさに大きな曲がり角に立たされていると感じます。天候という不可抗力に左右される脆弱性をどう克服し、ネット通販にはない「体験価値」をいかに提供できるかが、今後の浮沈を握るでしょう。単に品物を並べるだけでなく、消費者が「雨でもわざわざ足を運びたい」と思えるような、新しい物語の構築が急務ではないでしょうか。
コメント