2019年06月13日、初の米朝首脳会談からまもなく1年が経過しようとしています。この節目の直前である10日に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長がトランプ米大統領へ親書を送ったことが話題となりました。非核化交渉の行方が注目される中、北朝鮮がこの長引く制裁下でどのように経済を回そうとしているのか、その実態が見え隠れしています。今回は、正恩氏が打ち出す生存戦略と、その裏にある焦りについて深掘りしていきましょう。
まず注目すべきは、隣国である中国との「蜜月関係」を利用した観光ビジネスです。実は、北朝鮮への観光自体は国連の制裁対象には含まれていないのをご存知でしたか。ここに着目した北朝鮮指導部は、中国からの観光客誘致に躍起になっています。韓国統一研究院のデータによれば、2018年に訪朝した中国人観光客は前年比でなんと5割も増加し、120万人に達したそうです。これは単なる友好の証ではなく、貴重な外貨獲得手段となっているのです。
「瀬取り」という抜け穴と、軍需から民需への転換
観光だけではありません。裏では「瀬取り(せどり)」と呼ばれる手法への依存も強まっています。これは、海上で船から船へと石油や石炭などの積み荷を直接移し替える密輸の手口で、制裁の目を盗むための常套手段です。専門用語としてニュースで耳にすることも多いですが、要するに「洋上での違法な物資受け渡し」ですね。国連安保理の報告書でも、2018年にこの瀬取りの規模と量が大幅に増えたことが指摘されています。
一方で、国内の産業構造にも変化の兆しが見られます。これまで聖域として莫大な予算が注ぎ込まれてきた軍需産業に、メスが入れられようとしているのです。金正恩氏は最近、慈江道の武器工場を視察した際、資源利用の見直しを指示し幹部を叱責したと報じられました。これは、軍事用のリソースを民生用、つまり一般国民の生活を支える産業へと転用しようとする「構造改革」の一環と見られています。
SNSでの反響と編集後記
こうした北朝鮮の動きに対し、ネット上のSNSでは様々な声が上がっています。「結局、制裁の抜け道ばかり探していて非核化する気がないのでは?」「中国がバックにいる限り制裁は効かない」といった懐疑的な意見が大半を占める一方で、「軍需から民需への転換が本当なら、少しは平和的な方向へ向かっているのかも」という淡い期待の声も聞かれました。やはり、周辺国としては不透明な情勢に不安を感じているユーザーが多いようです。
私自身の見解としては、なりふり構わず外貨を稼ごうとする姿勢は、裏を返せばそれだけ制裁が「効いている」証拠だと思います。世界食糧計画(WFP)によれば、今年の食糧生産は過去10年で最低水準になるとの予測もあり、さらに豚コレラの影響も懸念されています。「自力更生」という言葉を連呼せざるを得ないほど、内情は切迫しているのでしょう。このまま強硬姿勢を貫くのか、それとも対話へ舵を切るのか、正恩氏の次なる一手に注目が集まります。
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