工場のIoT化を阻む「老害パソコン」の正体とは?2019年最新のセキュリティリスクと生産停止の懸念

2019年08月29日現在、あらゆるモノをインターネットでつなぐ「IoT(モノのインターネット)」が産業界のトレンドとなっています。しかし、日本の製造現場では、この進化の波を阻む深刻な課題が浮き彫りになりました。それは、すでにメーカーのサポート期限が切れた古いOSを搭載し続ける、いわゆる「老朽パソコン」が数十万台規模で現役稼働しているという驚きの実態です。

IoTとは、本来はバラバラだった設備をネットワークで結び、稼働状況を可視化して効率を高める仕組みを指します。しかし、現場の制御用PCが古すぎては、最新のネットワークに接続することすら叶いません。SNS上でも「うちの工場はまだWindows 95やXPが動いている」「動いているものを止めるのが一番怖い」といった、切実かつ悲痛な声が数多く寄せられており、事態の深刻さが伺えるでしょう。

更新を拒む「生産停止」の恐怖と巧妙化するサイバー攻撃の脅威

なぜ、これほどまでに古い機種が放置されているのでしょうか。その背景には、生産設備とパソコンが密接に連携しているという工場特有の事情が存在します。OSを不用意に新しくすれば、システム全体が予期せぬ動作不良を起こし、工場のラインが完全にストップしてしまうリスクがあるのです。この「動いているものを触りたくない」という心理が、結果として老朽化を招く要因となっています。

しかし、こうした「老害パソコン」を放置し続けることは、玄関の鍵をかけずに外出するようなものです。サポートが切れたパソコンは、脆弱性(プログラムの弱点)を修復する更新プログラムが提供されません。そのため、サイバー攻撃の格好の標的となり、一箇所の侵入から工場全体のネットワークが汚染される危険性を孕んでいます。利便性を追求するはずのIoTが、皮肉にもセキュリティの穴を広げる結果になりかねません。

編集者の視点から言えば、目先の安定を優先して更新を先延ばしにする姿勢は、将来的にさらに甚大な損失を招く「時限爆弾」を抱えているに等しいと感じます。技術の進歩に足並みを揃えることは、単なるコストではなく、企業の命運を左右する守りの投資です。今こそ、現場の知恵と最新のIT技術を融合させ、安全かつスムーズなシステムの世代交代を断行すべきタイミングが到来しているのではないでしょうか。

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