【2019年5月】ビール系飲料市場に冷たい風!改元特需の期待はずれとサントリー「プレモル」が示した光明

2019年6月13日、ビール系飲料を製造・販売する国内大手4社が、同年5月の販売実績を取りまとめました。この集計によると、プライベートブランド(PB)と呼ばれる小売店独自の安価な商品も含めたビール系飲料市場全体は、前年同月と比較して約2%の減少となり、消費の冷え込みが顕著に現れる結果となったのです。元号が「令和」に改まった記念すべき月であることから、一部では特需による消費の伸びが期待されていましたが、全体としては盛り上がりに欠ける状況であったと言えるでしょう。

この消費低迷の背景には、消費者の節約志向の高まりや、アルコール飲料の多様化といった構造的な問題が横たわっていると推測できます。特にビール系飲料は、酒税法上の「ビール」、「発泡酒」、そして「その他の雑酒」に分類される、いわゆる「新ジャンル」の3つを総称していますが、消費者の嗜好がより安価な新ジャンルや、ハイボール、チューハイといった他のアルコール飲料に移っている傾向も無視できません。こうした厳しい市場環境において、多くのビールメーカーが販売量を落とすという苦戦を強いられたのでございます。

しかし、こうした逆風の中でも、一社だけが際立った実績を残しています。それは、サントリービールです。同社は、ビール、発泡酒、新ジャンルを合わせたビール系飲料全体の販売量が、大手4社の中で唯一、前年同月比プラスを達成したのです。この好調を牽引したのは、同社のプレミアムビールである「ザ・プレミアム・モルツ」、通称「プレモル」の存在にほかなりません。

「ザ・プレミアム・モルツ」が持つ、深いコクと華やかな香り、そしてクリーミーな泡立ちといった“プレミアム”な価値が、消費者に改めて評価された結果と見て良いでしょう。他のメーカーが全体でマイナスとなる中でサントリービールがプラスを達成したという事実は、消費者が単に安価な商品を求めるだけでなく、**「多少高くても、本当に品質の良いもの、心を満たしてくれる体験を提供してくれるものには対価を惜しまない」**という、本物志向への回帰を示唆していると考えられます。TwitterなどのSNSでは、「プレモルはやっぱり香りが格別」「たまの贅沢には外せない」といった声が多く見られ、その品質への信頼が販売増に直結したと言えるでしょう。

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ビール系飲料の定義と市場の構造変化

ここで改めて、ビール系飲料という専門用語について簡単に解説しておきましょう。これは、一般的な「ビール」だけでなく、麦芽の使用比率が低いために税法上の「ビール」とは区別される「発泡酒」、そして発泡酒をベースに大豆やコーンなどの麦芽以外の原料を用いて製造される「新ジャンル」(第三のビールとも呼ばれます)の3種類を総称する業界用語です。これらは酒税の税率が異なるため、小売価格に大きな差が生まれており、特に税率が最も低い新ジャンルは家計に優しい選択肢として市場シェアを伸ばしてきました。

2019年5月の市場全体が減少した背景には、この新ジャンルを含めたビール系飲料全体における、消費者の「選別眼」の厳しさがあると感じます。単に安ければ売れるという時代は終わり、各メーカーは価格競争から一歩踏み出し、サントリーの「プレモル」のように、独自の付加価値や明確なコンセプトを打ち出すことが、今後の成長戦略の鍵になるでしょう。消費者のライフスタイルの変化に対応し、ビールというカテゴリを超えた新しい飲用シーンを提案していくメーカーこそが、この厳しい市場を勝ち抜いていくことができるのではないでしょうか。

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