老舗の繊維メーカーとして知られるユニチカが、2019年10月01日付で実施する重要な人事異動を発表しました。今回の人事の目玉は、企業の守りの要である「監査」と「リスクマネジメント」の強化、そして成長の柱である「高分子事業」におけるグローバル戦略の加速です。企業が持続的に成長するためには、内部統制のアップデートが欠かせませんが、今回の動きからはユニチカの強い意志が感じられます。
具体的には、現在リスクマネジメント室長を務めている中野岳氏が、新たに監査室長に就任する予定です。「監査室」とは、会社が法律を守り、適正な運営を行っているかを第三者の視点でチェックする部署のこと。リスク管理の最前線にいた中野氏がこの役職に就くことで、より精度の高いガバナンスが期待されています。SNS上では「地味な異動に見えるが、守りを固める姿勢に信頼が持てる」といった冷静な分析も寄せられているようです。
また、中野氏の後任としてリスクマネジメント室長には、不織布事業部で手腕を振るってきた万代典昭氏が抜擢されました。不織布(ふしょくふ)とは、繊維を織らずに熱や化学作用で接着させたシート状の布のことで、マスクや衛生用品など幅広く使われる素材です。現場に精通した人物が本社の中枢でリスク管理を担うことで、現場感覚を忘れない、実効性のある安全対策やコンプライアンス維持が可能になるでしょう。
グローバル展開を加速!高分子事業部の新たな営業戦略
注目すべきは、ユニチカの収益源である「高分子事業」における布陣の変化です。高分子とは、プラスチックや合成繊維などの分子量が非常に大きい物質の総称であり、同社の技術力の結晶といえます。この分野で、樹脂海外統括室長とユニチカ香港への出向を兼任することになったのが府川徳男氏です。香港を拠点としたアジア市場の攻略は、同社にとって今後の命運を握る重要なステップになるに違いありません。
これに連動する形で、エンプラ営業の担当には村上浩司氏が就任します。エンプラ(エンジニアリングプラスチック)とは、一般的な樹脂よりも耐熱性や強度が格段に優れた高性能なプラスチックのことです。主に自動車部品や電子機器などの過酷な環境で使用されます。海外統括の経験を持つ村上氏が国内営業のトップに座ることで、国内外のニーズを融合させた柔軟なセールスプロモーションが展開されることが予想されます。
ネット上の投資家界隈では「ユニチカが本格的に高付加価値な素材ビジネスにリソースを集中させ始めた」との声もあり、期待感が高まっています。私自身の見解としても、今回の人事は単なる入れ替えではなく、攻めと守りのバランスを極めて戦略的に再配置したものだと評価しています。特に、グローバルな知見を持つ人材を重要ポストに置くことで、日本のものづくりが世界で勝ち抜くための準備が整ったといえるでしょう。
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