2019年08月30日、三菱自動車は次なる2020年代を見据え、自立した持続的成長を懸けた極めて重要な局面を迎えています。燃費不正問題という荒波を乗り越え、驚異的なV字回復を果たした同社ですが、現在は収益が一時的に停滞する「踊り場」に差し掛かっているといえるでしょう。実際に2019年04月から06月期の連結純利益は前年比67%減という厳しい数字となりましたが、これは将来を見据えた在庫調整や、人件費の高騰が要因であると分析されています。
こうした状況を打破するため、三菱自動車は自らの強みが最も活きる東南アジア市場において、積極的な攻めの姿勢を見せています。同年07月には、タイで新型のSUV「パジェロスポーツ」を投入し、年間1万5千台の販売を目指すという意欲的な目標を掲げました。また、ヒット作である「エクスパンダー」を中東やアフリカを含む10カ国へと展開させるなど、商品ラインナップの刷新を加速させている点は、ファンにとっても非常に心強い動きではないでしょうか。
「電動化」と「シェアリング」で掴む東南アジアシェア10%への道
三菱自動車が悲願とする「東南アジア市場シェア10%」の達成には、避けて通れない大きな潮流が二つあります。それが「電動化」と、車を所有せずに共有する「シェアリング」の拡大です。まず電動化の分野では、同社の得意芸ともいえる「PHEV(プラグインハイブリッド車)」が主役となります。これはエンジンとモーターを併用し、コンセントから直接充電もできるハイブリッド車の一種で、インフラ整備が進行中の地域において最も現実的かつ優れた選択肢といえます。
2019年11月には、インドネシアで初となるPHEVの発売を予定しており、さらには2021年からタイのレムチャバン工場で現地生産を開始する計画も進んでいます。SNS上では「三菱の4WD技術と電動化の組み合わせは、アジアの未舗装路でも威力を発揮しそう」といった期待の声が多く寄せられています。将来的には完全な電気自動車(EV)の生産も視野に入れており、環境規制が強まるアジア諸国において、先駆者としての地位を固めようとする覚悟が伝わってきます。
また、次世代の移動サービスにも抜かりはありません。同年07月にはインドネシアの配車大手「ゴジェック」との資本提携を発表しました。これは単なる車の提供に留まらず、走行データの収集や顧客体験の分析を通じて、新しい車作りに活かすという壮大な試みです。日産自動車や仏ルノーといった連合のパートナーに過度に依存するのではなく、三菱グループの総力を結集して独自路線を切り拓こうとする姿勢には、メーカーとしての強いプライドを感じずにはいられません。
自動車業界がいま直面している「CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)」という変革期において、三菱自動車はあえて規模の拡大を追わず、自らの「らしさ」を研ぎ澄ます道を選びました。2019年度内に発表される新たな中期経営計画は、まさに同社の未来を占う羅針盤となるはずです。かつての輝きを取り戻すだけでなく、新しい移動の価値を定義するリーダーとして、彼らがどのようなサプライズを届けてくれるのか、私たちは今から目が離せません。
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