🚀超特急鮮度を実現! 新幹線が佐渡産甘エビを東京へ運ぶ 画期的物流 の可能性に迫る

東日本旅客鉄道(JR東日本)の子会社であるJR東日本スタートアップが、2019年6月11日に新幹線を活用した水産物輸送の画期的な実証実験を開始しました。これは、早朝に新潟県の佐渡沖で水揚げされた新鮮な甘エビを、高速船と新幹線を乗り継いで、なんとその日のうちに東京へと運び、品川駅構内で販売するという試みです。従来の輸送方法では最大2日間を要していた行程が、わずか8時間程度、つまり時間の6分の1ほどにまで短縮されることになりました。この「超特急鮮度」での提供は、傷みやすいためこれまで産地周辺でしか流通が難しかった鮮魚の販路を劇的に拡大させる可能性を秘めているでしょう。

この実験は、日本の大動脈である新幹線の活用範囲を、従来の旅客輸送だけでなく物流へと広げようとする本格的な一歩となるかもしれません。物流業界における新幹線の活用、通称「新幹線物流」が実現すれば、新鮮な海産物を全国の消費者へ迅速に届けることが可能になるほか、人手不足に悩む配送業界の負荷軽減や、輸送時に発生する二酸化炭素排出量の削減にも貢献できることが期待されます。これは環境にも配慮した持続可能な物流の実現にもつながる、まさに一石二鳥の取り組みだと考えられます。

実証実験当日の流れを見てみましょう。2019年6月11日午前10時35分、佐渡沖でとれたての甘エビを積んだ高速船が新潟港に到着しました。「200グラム×15パック」と記された2ケースの発泡スチロールは、到着後すぐにトラックに積み替えられ、港から約10分の距離にある新潟駅へと急ぎました。そして、新潟駅の荷さばき所に到着した甘エビは、午後0時35分新潟駅発の上越新幹線「とき320号」に積み込まれ、東京に向けて出発しました。

甘エビの積み込み場所は、新幹線の7号車と6号車の間に位置する広さ約1畳ほどの「業務用室」でした。このスペースは普段、車内販売の待機場所として利用されているため、冷蔵機能は備わっていません。今回運ばれたのは約6キログラムの2ケースですが、実際には最大5ケース(約15キログラム)まで積載可能とのこと。この活用は、昨今縮小傾向にある新幹線の車内販売スペースを有効活用する道筋としても注目されます。

午後2時44分に東京駅へ到着した甘エビは、再びトラックに積まれて品川駅へと運ばれました。そして、品川駅構内の鮮魚店「sakana bacca エキュート品川店」で、午後4時よりいよいよ販売が開始されました。「超特急鮮度でお届け!」と目を引く店頭販促(POP)や、「新幹線で運んだとれたての甘エビです!」という店員さんの威勢のよい呼びかけが、エキュートの利用者たちの関心を集めている様子でした。

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新幹線物流の価値と、期待されるメリット

今回の実証実験を共同で進めている水産物卸・小売りのフーディソンの山本徹代表は、「佐渡から首都圏への配送は、通常では最大で2日間を要してしまう」と語り、朝とれたての水産物が品川駅に並んでいるという「驚き」をぜひ体験してほしいと、新幹線物流への大きな期待を寄せているそうです。また、JR東日本スタートアップの柴田裕社長も、首都圏のスーパーなどで販売されている甘エビが200グラムあたり600円程度であるのに対し、今回の佐渡産甘エビは同量で1600円とかなり割高ではあるものの、「普段は新潟周辺でしか流通していない佐渡産の甘エビを、首都圏で味わえるという価値を感じてほしい」と強調しています。

価格面だけを見れば割高に感じるかもしれません。しかし、鮮度が命である魚介類にとって、輸送時間の短縮は鮮度維持に直結し、その結果生まれる「とれたて」の美味しさ、そして「産地限定」の珍しさが、この価格を正当化する付加価値となるでしょう。特に佐渡のような離島からの輸送は、通常のトラック物流と比較しても鮮度の差が顕著に表れるため、新幹線物流との相性は抜群であると考えられます。

この実証実験は6月中に計6回実施される予定で、佐渡産甘エビのほか、東北新幹線を利用した岩手県宮古市産の生ウニの輸送も行われます。生ウニは塩水加工された瓶詰めの状態で、最大64本を運ぶことが可能とのことです。これまでの新幹線物流の実証実験では、朝に収穫された野菜が首都圏に運ばれた前例はありますが、水産物の輸送は今回が初めての試みです。

もちろん、この画期的な物流方式の実現には、まだいくつかの課題が存在しています。たとえば、価格が割高になる点、一度に運べる量に制限がある点、そして積み下ろし作業の手間や関係者間の役割分担の明確化などが挙げられます。さらに、訪日外国人の増加により新幹線の利用者数が増える中で、乗客の座席スペースを物流用途に転用することは難しいという現実もあります。今後は、甘エビやウニに加え、鮮度をセールスポイントにできる他の海産物の輸送も視野に入れ、検討が進められる見通しです。

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