2019年6月12日に公表されました帝国データバンクの調査結果から、長野県内企業の2019年度の設備投資計画について詳しく見ていきましょう。県内企業518社を対象に、同年4月15日から30日にかけて実施されたこの調査は、有効回答率46.9%という関心の高さを物語っています。
調査によりますと、2019年度に設備投資を「予定している」と回答した企業は71.2%で、これは前年度にあたる2018年度と比較して6.5ポイントの減少となりました。また、投資予定額の平均も1億960万円と、前年度から3,131万円も大きく減少しています。この結果は、企業が先行きの経済状況に対して慎重な姿勢を取り始めていることを示唆していると言えるでしょう。
帝国データバンクは、この設備投資意欲の低下の背景として、国際的な「米中貿易摩擦」の激化や、深刻化する「人材確保」(人手不足)の問題、そして同年10月に控えている「消費税率の引き上げ」といった、複数の不安材料が影響していると分析しています。特に、米中貿易摩擦は世界経済全体に不透明感をもたらす要因となっており、長野県のような地方の企業活動にもその影響が及んでいると見るべきでしょう。
長野県企業の投資意欲は全国でも高水準、しかしその中身は?
設備投資を予定する企業の割合(71.2%)は、全国平均を8.9ポイントも上回っており、都道府県別でも10番目に高い水準にあることは注目に値します。この結果から、長野県内企業の経営者の方々は、依然として高い事業意欲をお持ちであることがうかがえます。
しかし、投資の内容を見てみると、その内訳に景況感の伸び悩みが如実に表れているようです。最も多かった投資内容は「設備の代替」で57.2%と、前年度より7.2ポイント増加して過半数を占めました。この「設備の代替」とは、古くなった設備や機械を新しいものに入れ替えることを指しており、生産能力そのものを引き上げる「増産」や「販売力の増強」とは区別されます。つまり、老朽化した設備の維持・更新に迫られている企業が多いものの、積極的に事業を拡大するための投資には踏み切れない状況がうかがえるのです。
実際に、「増産・販売力の増強(国内向け)」を目的とする投資は24.3%と、前年度比で7.7ポイントも大きく減少しました。これは、消費税引き上げ前の駆け込み需要の一巡後を見据え、国内市場の景況感について、多くの企業が楽観視できていないことの表れだと考えられます。生産性の維持・向上に不可欠な設備の更新は行いつつも、景気の先行きが不透明なため、大きなリスクを伴う本格的な事業拡大投資を控える、極めて合理的な経営判断が働いていると言えるでしょう。
この調査結果に対して、SNS上では「やっぱり消費増税と人手不足の影響は大きいよね」「米中貿易摩擦は長野の製造業にも間接的に響いている」「設備の代替投資は必要に迫られてするもの。積極的な投資ではない」といった声が散見されました。多くの読者も、企業が抱える不安材料に共感し、今回の調査結果を景気の先行きを占う重要な指標として受け止めていることが分かります。長野県の高いポテンシャルを維持するためにも、不安材料を解消する具体的な政策が求められる局面ではないでしょうか。
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