2019年09月01日付で、印刷機械の国内トップシェアを誇る東京機械製作所が、未来を見据えた大胆な人事異動を断行しました。今回の組織改編で注目すべきは、これまで営業や総務を牽引してきた近江隆氏が、同社の技術拠点である「かずさテクノセンター」のトップに就任した点です。近江氏は常務として人事労務だけでなく、最先端の「AI事業」も担当することになり、伝統あるメーカーがテクノロジー企業へと進化する強い意思が感じられます。
AI(人工知能)とは、コンピューターに人間のような学習能力や判断力を持たせる技術を指します。印刷業界でも、機械の故障を事前に察知する予兆検知や、作業の自動化にこの技術が欠かせません。SNS上では「老舗の東京機械がAIに本腰を入れるのは意外だが、生き残りには不可欠な戦略だ」といった、期待を込めた驚きの声が広がっています。企業の屋台骨を支えるベテランが先端技術を担う体制からは、単なる流行ではなく実益を重視する姿勢が伺えますね。
一方で、長年かずさテクノセンターの長を務め、人事労務やAI事業の礎を築いた藤尾昇氏は、同日付で常務から顧問へと退かれました。これまでの同社の成長を支えてきた功労者が一線を退き、アドバイザーとしての役割に回ることで、スムーズな世代交代と知見の継承を狙っているのでしょう。経営陣の若返りと安定感を両立させるこの手法は、組織を活性化させる上で非常に理にかなった選択であると私は評価しています。
また、営業統括や新規事業、総務といった多岐にわたる重責を引き継ぐのは、上等吉則氏です。同氏はかずさテクノセンターの副センター長から常務執行役員へと昇進し、現場の技術力と市場のニーズを結びつける重要な役割を担います。現場を知り尽くした人物が営業のトップに立つことで、顧客に対してより技術的な裏付けのある提案が可能になるはずです。攻めの営業と守りの技術が融合し、同社の新規事業はさらなるスピード感を持って展開されることでしょう。
今回の人事は、単なるポジションの入れ替えではなく、デジタル化が進む印刷市場での「勝ち筋」を明確にしたものと言えます。既存の枠組みにとらわれず、AIという武器を手に新しいビジネスモデルを構築しようとする東京機械製作所の挑戦は、多くの製造業にとって刺激になるはずです。伝統を守りつつも自らを壊し、再構築していく同社の動向から、今後もしばらく目が離せそうにありません。私たちメディアも、この変革の行方を注視していきたいと考えています。
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