2019年6月現在、大阪を中心とした関西経済圏では、インバウンド(訪日外国人)需要の高まりや、2025年に開催予定の大阪・関西万博といった大型イベントへの期待感から、大きな成長の伸びしろが予想されています。この活況を背景に、これまで関西以外の地域に地盤を置いていた周辺地銀が、一斉に関西、特に大阪市場への攻勢を強めており、地銀間の競争が激化しているのです。
こうした動きの中で、高松市に本社を構えるトモニホールディングスの動きは注目に値します。同社は2019年5月に、2023年3月期までの中期経営計画を策定し、その中で大阪を戦略地域と明確に位置づけました。傘下の徳島銀行と大阪を地盤とする大正銀行が2020年1月に合併するのを契機として、大阪での攻勢を一気に加速させる構えです。さらに、同じく傘下の香川銀行も含めた3行一体での大阪での取引拡大を目指しています。
その実績は数字にも現れています。2019年3月末時点での大阪地区の貸出金残高は、3行を合算して8,949億円に上り、これはわずか3年前と比べて30%も増加しているのです。トモニホールディングスは、この残高を2023年3月末には1兆円以上に引き上げるという野心的な計画を掲げています。この周辺地銀による関西市場の強化策に対し、大阪の有力地銀の一つである池田泉州銀行の鵜川淳頭取は、「当行の独自性の発揮によって、この激しい競争を乗り切りたい」と、その決意を表明しています。
広域連携「TSUBASAアライアンス」に関西の地銀が初参加
周辺地銀による地域をまたいだ攻勢が強まる一方で、有力な地方銀行同士が連携を深める**「広域連合」の枠組みも、ついにこの関西市場に広がり始めました。滋賀銀行は2019年5月、千葉銀行や第四銀行など、全国の有力地銀8行による「TSUBASAアライアンス」に参加することを発表したのです。この広域連携に関西圏の地銀が加わるのは初めて**のことであり、業界内で大きな話題を呼んでいます。
このアライアンスの参加行の資料では、8行の総資産、預金、貸出金残高を合算した規模が、なんと日本の三大メガバンクに次ぐほどの規模になることが示されました。この発表資料について、地銀関係者の間では「まさかここまで統合を意識したような資料になるとは」と驚きをもって話題になっています。これは単なる業務提携を超え、将来的な経営統合をも視野に入れた、地銀再編の大きな潮流を示すものだと私は考えます。
滋賀銀行がこのアライアンスに参加する狙いは、IT(情報技術)と金融が融合したフィンテックを活用した共同の商品開発や、顧客の相互紹介を通じたサービス強化にあります。特にフィンテックは、従来の金融サービスに革新をもたらすテクノロジーを指し、この分野での連携は、地域金融機関の競争力を大きく左右する重要課題となっています。この初の関西地銀の参加が、アライアンス参加行の関係を今後どのように発展させていくのか、大きな注目が集まるでしょう。
この一連の報道に対し、SNS上では「万博効果はすでに始まっているということか」「地元大阪の銀行が負けないか心配」「地銀再編の波がいよいよ関西にも本格的に来た」といった、期待と懸念が入り混じった反響が見られました。大阪の経済成長の可能性をめぐり、周辺地銀による**「攻めの戦略」と、有力地銀による「守りの連携」が激しくぶつかり合う、まさに金融の戦国時代**が到来したと言えるでしょう。今後の関西市場の動向から、ますます目が離せません。
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