愛媛県松山市に拠点を置く自動車販売のガリレオコーポレーションが、自動車の常識を覆す画期的なリース事業をスタートさせました。その名も「軽貸(けいたい)カー ケイカス」。まるでスマートフォンを選ぶような手軽さで、新車の軽自動車に乗り換えられるという、これまでにないサービスなのです。この試みは、特に短距離での利用頻度が高い主婦層をターゲットとしており、初年度で500台の契約獲得を目指す意気込みです。
「ケイカス」の最大の特徴は、携帯電話の料金プランに似た使い勝手を取り入れている点にあると言えるでしょう。新車の軽自動車を3年間、自分の車のように利用できますが、走行距離に制限が設けられているのです。具体的には、月々の走行距離が500キロメートルを超過すると、追加料金が発生する仕組みとなっています。しかし、同社の森益伸会長は、買い物や子どもの送迎といった日常的な利用が多い主婦の月間平均走行距離は500キロ弱であると分析しており、この制限は大多数の利用者にとって大きな負担にならないと見込んでいるようです。
このサービスは、自動車メーカーの新車保証が適用される3年間、新車を利用できるという安心感もあります。第一弾として、人気の車種であるスズキのハスラーを対象に申し込みの受け付けが開始されました。今後は、国内の全メーカーの全車種に対象を広げる予定とされています。私も、地方では未だ拠点数が少なく、利便性の面で大都市圏に劣るカーシェアリングよりも、自宅近くで自由に使える低額リースという形が、地方のセカンドカー需要を開拓する上で非常に理にかなっていると考えます。
気になる費用について詳しく見てみましょう。ハスラーの場合、基本料金は税別で年間11万8,800円です。年2回のボーナス払い(各3万円)を活用すれば、月額の基本料金は4,900円となります。これに全車種一律の月額使用料5,000円が加わり、毎月の負担額は合計で9,900円となる計算です。この基本料金の中には、新車登録時の手数料や自動車税、自賠責保険料、さらにはオイル交換費用など、新車購入時に別途必要となる様々な費用が含まれています。ハスラーを新車で購入する場合、各種費用を合わせた負担額は約130万円ほどになるそうですが、「ケイカス」のリース契約では、任意保険料などを除いた支払総額は3年間で約60万円程度となり、新車購入のほぼ半額という驚きのコストパフォーマンスを実現しているのです。
さらに魅力的なのは、契約満了時の「車種変更」のオプションです。3年間の契約が満了した際、利用者は別の新車で3年のリース契約に更新することが基本とされています。同じ車を4年目以降も継続利用する再リース契約も可能ですが、車の価値が下がり維持費も増えるため、月々の使用料は高くなってしまうとのことです。そのため、新しい車に乗り換えを促す、携帯電話の機種変更のようなサイクルが想定されているのでしょう。
また、「ケイカス」のリース対象車はすべて、専用の通信機器を取り付けたコネクテッドカーとなります。これにより、ガリレオコーポレーションは車両の所在地や走行距離をリアルタイムで把握できます。利用者もスマートフォンの専用アプリを通じて、消耗品の交換時期や燃費などを手軽に確認できるようになっています。同社は、このコネクテッドカーのデータを活用し、ワンオーナーで低走行距離の中古車の安定調達を見込める新たな事業として、ビジネスモデル特許を出願している状況です。中古車販売と並ぶ新たな収益の柱に育てるという、同社のビジネス戦略には大いに期待が持てます。
国内の個人向けリース市場は、日本自動車リース協会連合会のデータによると、2019年3月末時点で約30万8,000台と、2018年から約2割も増加しており、市場の拡大が追い風となっています。ガリレオコーポレーションは既に、年間20万円ほどの負担で7年間利用できるリース商品も展開し、月30台ほどの契約を獲得しています。この「ケイカス」も2019年5月に申し込み受付を開始したところ、早くも引き合いがあり、滑り出しは順調なようです。地方の生活に密着した、合理的かつ新しい車の所有の形として、ガリレオコーポレーションの挑戦は今後も注目に値するでしょう。
コメント