未来への挑戦を加速!トヨタが2019年6月・7月に断行した役員体制の刷新と注目のキーパーソン人事

2019年6月14日に発表されたトヨタ自動車の人事異動は、来るべきモビリティ社会を見据え、同社が**「CASE(ケース)」と呼ばれる新たな技術潮流への対応を一層強化する決意を示すものとなりました。特に、「電動化」や「コネクティッド」といった先進分野で、これまでの実績を持つキーパーソンを重要ポストに配置し、体制を大きく刷新している点が注目されます。これは、100年に一度の大変革期にある自動車業界において、トヨタがさらにリーダーシップを発揮していくための布石と見ることができます。

具体的には、6月13日付で常勤監査役として加藤治彦氏と小倉克幸氏が新たに就任され、長きにわたり監査役を務められた加藤雅大氏と香川佳之氏は退任されました。この動きは、経営の透明性と健全性を保つための監査体制の強化を意図しているものと推察されます。また、監査役室長には河本利恵氏が、中南米地域担当には米長浩氏がそれぞれ就任するなど、グローバルな組織運営を支える要職への配置も見受けられます。

そして、未来のクルマづくりを担う体制へと大きくシフトしたのが、7月1日付の異動です。特に目を引くのは、「CASE」の中核をなす領域でのトップ交代でしょう。CASEとは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字を取った造語で、自動車産業の未来を形作る四つの柱を意味します。この変革の時代において、トヨタは各分野で戦略的な人事を実行しています。

「CASE」の時代を牽引する新体制の要(かなめ)

先進技術開発カンパニープレジデント(P)を務めていた寺師茂樹氏は、取締役兼執行役員副社長兼CTO・パワートレーンカンパニーチェアマンの要職に加え、新たにトヨタZEVファクトリー本部長を兼任されることになりました。ZEVは「Zero Emission Vehicle(ゼロ・エミッション・ビークル)」の略で、走行中に二酸化炭素などの有害物質を排出しない電動車全般を指します。寺師氏がこの分野のトップに就くことは、トヨタが電動化戦略をさらに加速させるという強い意志の表れと言えるでしょう。この重要ポストへの異動は、SNS上でも「いよいよトヨタが本気でEV(電気自動車)開発にシフトするのではないか」と大きな反響を呼んでいました。

また、コネクティッドカンパニープレジデントを務めた友山茂樹氏は、執行役員副社長兼CISO(最高情報セキュリティ責任者)として、GAZOO Racing Companyプレジデントとの兼務に留まり、新たにコネクティッドカンパニーチェアマンに就任されました。コネクティッドカンパニーは、クルマのIT化を担う非常に重要な組織であり、友山氏の引き続きの関与は、情報技術とモータースポーツが融合した新たな価値創造への期待を高めるものです。さらに、クルマ開発センター長には、Mid-size Vehicle Companyプレジデントなどを務めていた吉田守孝氏が昇格し、製品開発の中枢を担われます。中堅・中級車の開発経験が豊富な吉田氏が、今後の新型車開発をどのようにリードしていくのか、注目すべきポイントであると考えます。

経理部門を長らく統括されていた白柳正義氏は調達本部長に加え渉外広報本部長に就任し、経理本部長には先進技術開発カンパニーエグゼクティブバイスプレジデント(EVP)の近健太氏が昇格されました。これは、企業を取り巻くステークホルダーとのコミュニケーションと、資金・調達戦略をより密接に連携させ、事業の効率化を図る狙いがあると推察されます。また、山本圭司氏がコネクティッドカンパニープレジデントに、奥地弘章氏が先進技術開発カンパニープレジデントにそれぞれ昇格し、次世代技術開発とサービスの推進体制が強化された印象を受けます。若返りを図りながら、各分野のエキスパートを要所に配置し、部門間の連携を強化していくというトヨタの組織運営の巧みさがうかがえる人事となりました。

この一連の人事刷新は、単なる組織変更に留まらず、トヨタが「自動車メーカー」から「モビリティ・カンパニー」へと進化していくための戦略的な布陣だと強く感じています。技術革新のスピードが加速する現代において、柔軟な発想と迅速な意思決定ができる体制を構築することは、業界のトップランナーであり続けるための絶対条件であるからです。特に、「ZEVファクトリー」**といった未来志向の組織名からも、トヨタの未来への並々ならぬ意気込みが伝わってまいります。

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