🔥米中ハイテク摩擦の余波か?半導体株に再び下落圧力!【2019年6月】需要回復は「秋以降」の見通し

2019年6月、半導体関連の株式に再び強い下落圧力がかかっています。記憶媒体の市場が悪化の一途をたどるなか、半導体の製造に欠かせない装置の需要も低迷している状況です。さらに、米国による中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)への制裁措置が、半導体関連企業の今後の成長期待を弱める要因として大きく立ちはだかっていると言えるでしょう。

実際、6月13日の日本株式市場では、半導体製造装置をリードする東京エレクトロンが前日比で4%安、アドバンテストが5%安と大きく値を下げました。この2銘柄だけで、日本の主要な株価指数である日経平均株価を合計34円も押し下げる計算になり、市場全体への影響力の大きさがうかがえます。両銘柄は6月初めに直近の安値を付けた後、一時的に回復の動きを見せていたのですが、再び売り注文に押される結果となりました。

この売り圧力は、半導体の基礎材料を扱う企業にも波及しています。シリコンウエハーを製造する大手のSUMCOは3%安の1,211円で取引を終え、年初来の下値支持線である1,200円の水準に迫る展開です。この状況を受けて、SNSでは「やはり半導体サイクルはまだ底を打っていないのでは」「ファーウェイ問題の重しが想定以上に効いている」といった不安の声が散見されました。投資家たちの間では、今後の市況に対する神経質な見方が広がっているようです。

スポンサーリンク

世界市場の動向と専門家の見解

日本市場に先立ち、前日のアメリカ株式市場でも半導体関連株は軒並み下落しました。例えば、半導体製造装置の主要企業であるラムリサーチは5%安を記録しています。これは、調査会社エバコアISIのアナリストが「データを一時的に記憶するメモリーの市況回復は、2020年の後半まで遅れるだろう」と指摘し、目標株価を引き下げたことが直接的な引き金となりました。これらの動きの結果、米国の主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も2%安となり、約3週間ぶりの大きな下落率を記録しています。

半導体業界の指標が悪化していることは明らかです。パソコンなどの稼働中にデータを一時的に保存する役割を持つDRAM(ディーラム)と呼ばれるメモリーの価格は、継続的に下がり続けています。また、アメリカ半導体工業会が公表する半導体の世界売上高も減少傾向にありますし、製造装置メーカーの業界団体は2019年の投資額見通しを下方修正し、前年比で19%も減ると予測している状況です。SMBC日興証券のチーフマーケットエコノミストは「半導体を取り巻く景気循環、すなわち半導体サイクルは、明白な下降局面にある」と指摘されており、厳しい認識が示されています。

私は、この現状は一過性の在庫調整にとどまらず、スマートフォン市場の需要拡大が一服した構造的な問題と、米中間のハイテク分野での主導権争いが複雑に絡み合った結果だと考えます。特に、ファーウェイ問題の影響は無視できません。米国からの制裁により、同社はソフトウェアなどの調達に支障をきたし、この夏に予定されていた新型ノートパソコンの発売を中止せざるを得なくなりました。半導体需要への直接的な影響は限定的かもしれませんが、米中間の緊張が続く限り、半導体銘柄を積極的に購入する動きは抑制される傾向にあるでしょう。

アセットマネジメントOneのファンドマネジャーは、「少なくとも、半導体関連の各社が2019年4月から6月期の業績に、今回の問題がどの程度影響を及ぼすかを見極めるまでは、投資に踏み切りにくい」と述べています。この発言は、多くの機関投資家の心理を代弁しているものと思われます。

回復への期待と今後の展望

しかしながら、中長期的な視点で見ると、半導体需要を高める将来性の高いテーマは数多く存在します。例えば、次世代の高速通信規格である5G(ファイブジー)の本格的な普及や、AI(人工知能)技術の進化は、膨大なデータの処理能力を必要とし、半導体市場を強力に押し上げるドライバーとなるでしょう。現に、米インテルは投資を加速させていますし、大容量のデータを保存できるNAND型フラッシュメモリー(ナンドがたフラッシュメモリー)では、在庫の調整が進むなど、部分的には明るい材料も出てきているのです。

楽天証券経済研究所のチーフアナリストは、半導体関連銘柄の株価について「今後数カ月は、投資家が市場の動向に神経質になる展開が続きそうだ」と分析しています。しかしながら、「需要回復がはっきりと見えてくる秋以降には、株価は再び高値を試す可能性がある」との強気な見通しも示されました。半導体関連の銘柄群は、2019年1月から3月の相場上昇を力強く牽引してきた実績があります。そのため、再び投資家の注目度が高まれば、株式市場全体にも大きな影響を与えることになるでしょう。今は、嵐が過ぎ去り需要の芽吹きを待つ、辛抱の時かもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました