2019年09月06日、厚生労働省より全国の待機児童に関する最新の調査結果が公表されました。東北エリアに目を向けてみると、地域全体としては減少傾向にあるものの、岩手県と秋田県では前年よりも数値が悪化するという、明暗の分かれる結果となっています。待機児童とは、保護者が保育所への入所を希望しているにもかかわらず、施設側の定員不足などを理由に利用できていない子どもたちのことを指します。
今回の集計によりますと、東北6県の中で最も人数が多かったのは宮城県の583人で、それに福島県の274人が続く形となりました。岩手県は175人、秋田県は65人と、昨年より増加が見られた点は見過ごせません。また、山形県は45人という結果でしたが、青森県については待機児童数ゼロという極めて良好な状態を維持しています。東北最大の都市である仙台市においても121人の児童が待機状態にあり、都市部特有の課題が浮き彫りになりました。
SNS上では、この発表を受けて「数字上は減っていても、希望の園に入れない『隠れ待機児童』が多すぎる」といった切実な声や、「共働きが前提の社会なのに、なぜ預け先確保がこれほど難しいのか」という不満が噴出しています。特に0歳から2歳児までの低年齢児を抱える家庭からは、深刻な受け皿不足を嘆く投稿が目立っているようです。こうしたリアルな悲鳴は、行政が示す統計データ以上の重みを私たちに突きつけていると言えるでしょう。
この問題の背景には、育児休業明けに早期復職を希望する世帯が増え、特に手厚い人員配置が必要な0歳から2歳児の需要が急増している状況があります。保育現場では「配置基準」というルールにより、子どもの年齢が低いほど多くの保育士を割り当てる必要があるため、施設整備や人材確保が追いつかないのが実情です。需要と供給のミスマッチが解消されない限り、働く親たちの不安が完全に拭い去られる日は遠いのかもしれません。
編集者の視点から申し上げれば、青森県がゼロを維持している一方で、岩手や秋田で増加に転じたという事実は、地方自治体の施策の差が顕著に現れた結果だと感じます。少子化が進む一方で待機児童が増えるという矛盾は、女性の社会進出やライフスタイルの変化に社会インフラが適応できていない証左ではないでしょうか。単に箱モノを増やすだけでなく、保育士の待遇改善を含めた包括的なアップデートが、今まさに求められているはずです。