2019年5月のアジア発米国向け海上コンテナ輸送量は、全体として前年同月をわずかに上回る成長を見せました。米国の調査機関であるデカルト・データマインの集計によると、20フィートコンテナ換算で合計143万5565個となり、前年同月比1.4パーセントの増加を記録しています。このデータから、アジア全体では引き続き米国向けの物流が活発である状況が確認できますが、その内訳には大きな変化が生じているのが注目すべき点でしょう。
特に目覚ましい伸びを示したのが、シンガポール発の輸送量です。前年同月と比べると、実に28.4パーセントもの大幅な増加率で、アジア諸国の中で最も高い成長となりました。また、ベトナム発も25.9パーセント増と、シンガポールに迫る勢いで増加しています。これは、近年の国際貿易における大きな動き、すなわち「米中貿易摩擦」の影響が色濃く出た結果と見て間違いないでしょう。企業が関税の引き上げといったリスクを回避するため、生産・輸出拠点を中国から東南アジア諸国へ移転する「サプライチェーンの再構築」を進めている可能性が高いと考えられます。
一方で、中国発の米国向けコンテナ輸送量は、2019年5月は83万9748個と、前年同月比で3.5パーセント減少しました。この減少は4カ月連続で続いており、中国製品に対する米国側の高関税措置が、米国市場向けの輸出に確実に打撃を与えている状況が分かります。SNS上でも、「いよいよ東南アジアシフトが本格化してきた」「このデータは企業の危機管理意識の現れだ」といった声が多数見受けられ、アジアにおける生産拠点の再編は、多くのビジネス関係者にとって関心の的となっているようです。私自身の意見としても、この数字は単なる物流の変化ではなく、グローバルな生産体制が大きな転換期を迎えていることを示す重要なシグナルだと強く感じています。
サプライチェーンの再構築と物流の専門用語解説
今回のデータで登場する「コンテナ輸送量」は、主に国際的な海上輸送で利用される標準化された金属製の箱、つまりコンテナがどれだけ運ばれたかを示す指標です。物流の規模を測る上で非常に重要であり、今回は「20フィートコンテナ換算」という単位が用いられています。これは、長さ20フィート(約6.1メートル)のコンテナを基本単位として、それ以外のサイズのコンテナもこの基準に合わせて換算した数字のことで、正確な比較を可能にするための専門用語です。
また、記事にはコンテナ輸送量以外の経済データも含まれており、多角的に当時の経済状況を把握できます。例えば、2019年5月の三大都市圏におけるアルバイト・パートの平均時給は1051円で、前年同月と比べて27円の上昇となりました。派遣時給も2019年4月時点で1571円と、54円の上昇を見せています。これらのデータは、国内の人材市場が引き続き活況を呈していることを示しており、人材確保の難しさ、すなわち「人手不足」が続いている状況を裏付けるものでしょう。物流の変化だけでなく、国内の雇用環境にも目を向けることで、より立体的な経済像が見えてきます。
さらに、オフィス空室率にも触れておきましょう。三鬼商事の調べによれば、2019年5月の東京都心5区におけるオフィス空室率は1.64パーセントで、前月より0.06ポイントの減少となりました。これは、オフィスの「空室率」が非常に低い水準にあることを意味します。一般的に、5パーセントを下回ると「借り手市場」から「貸し手市場」に転換すると言われる中、この1パーセント台という数字は、都心部のオフィス需要が極めて旺盛であり、企業活動が活発であることを物語っているのです。これらの統計は、東南アジアへの生産拠点シフトが進む一方で、国内の景気にも一部の好調さが残っていた、2019年春の状況を鮮やかに描き出していると言えるでしょう。
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