⚡️雷の発生場所をピンポイント特定!高知工科大が開発した「小型音波センサー」が世界を変えるか?

2019年6月14日、雷研究の分野で画期的なニュースが飛び込んできました。高知工科大学が、雷が光る瞬間に発せられる音波、特に人間の耳には聞こえない低周波音(ていしゅうはおん)を検知する非常にコンパクトなセンサーを開発したというのです。この小さな箱型のデバイスは、音波の軌跡を緻密に追跡することで、これまで難しかった雷の発生場所を正確に特定することを目指しています。重さわずか260グラム、縦3センチ、横10センチ、奥行き12センチという手のひらサイズを実現しており、バッテリー駆動も可能なため、設置場所を選ばないのが大きな強みといえるでしょう。

この革新的なセンサーは、まずフィリピンの首都マニラでの実証実験を通じてその真価が試されています。集中豪雨が頻発するフィリピンでは、雷を伴う激しい気象現象への防災対策が喫緊の課題です。高知工科大学システム工学群の山本真行教授によると、フィリピン科学技術省の研究機関との共同プロジェクトとして、2020年3月までにマニラ市内の屋内施設や雨の当たらない場所に計50台のセンサーを配置する計画が進行しています。日本のような大規模な気象レーダー網に頼るのではなく、音響学(おんきょうがく)の手法を用いた簡便なシステムが、特に開発途上国の防災に貢献できると高く評価されているのですね。

山本教授が解説する測定原理は、非常に明快で興味深いものです。まず、雷の活動を把握したいエリアを中心に地図上に正三角形を描き、その頂点にセンサーを1台ずつ、合計3台設置します。雷が閃光を放つと、この3台のセンサーが時間差で低周波音を検知します。センサーは、音波が伝わる速度、すなわち音速(おんそく)(秒速約340メートル)に基づき、音波が1秒後、2秒後、3秒後に到達したであろう地点を算出するのです。そして、それぞれの到達地点を中心にして、対応する半径の円をパソコン上の地図上に描きます。このとき、3つの円が一点で交わる場所こそが、まさに雷が光った場所として特定されるというわけです。

この手法の最大の利点は、雷の発生場所を「例えば地図上の1丁目1番地の上空300メートル周辺」といった具合に、非常に狭い範囲に絞り込める点にあります。現在、マニラでは22台のセンサーが設置され、すでに実験がスタートしているとのことで、今後フィリピン側から送られてくる実験データを集積することで、雷の多発エリアとそうでないエリアの明確化が進められる予定です。これにより、避雷針をより効果的に設置したり、雷の発生回数と降雨量の関連性を詳細に分析したりすることが可能となり、住民避難の初動対応の改善にも役立つと期待されています。

もちろん、この技術は日本国内でも活用が計画されています。高知工科大学の地元である高知県大豊町(おおとよちょう)では、昨年2018年7月の集中豪雨で高知自動車道が被災した教訓を踏まえ、今秋までに非常電話の設置場所や民家の倉庫などを利用して10台のセンサーを設置する予定です。日本は世界でも有数の気象観測技術を誇りますが、この大学発の小型センサーは、特に事業所や工場といった小回りが利く現場での利用に優位性があると私は考えます。特定エリアに限定して雷の発生データを収集できるため、例えば、施設が落雷で被災した際の保険申請に必要な、客観的で具体的なデータ提供にも大いに役立つでしょう。

この小型センサーの開発は、気象観測の「民主化」とも呼べる、非常に重要な一歩を踏み出したといえます。大規模なインフラ投資が困難な地域や、ピンポイントでの監視が求められる現場において、低コストで高精度な雷の監視を実現する可能性を秘めているからです。2019年5月には、民間ロケットへの搭載実績もあるというこの技術は、今後、全国、そして世界へと実験の場を広げ、私たちの防災・減災対策を大きく進化させるでしょう。**IoT(アイオーティー)**技術を活用した未来の安全な社会づくりに、高知工科大学の取り組みがどれほど貢献していくのか、非常に楽しみでなりません。

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