世界中で深刻な問題となっている海洋プラスチックごみ(廃プラ)の対策に関し、2019年6月15日から2日間にわたって長野県軽井沢町で開かれる20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合で、画期的な合意がなされる見通しです。この会合で採択を目指す合意案には、各国が自主的に廃プラ削減に取り組むための世界初の国際枠組みを新設することが盛り込まれています。地球温暖化対策の「パリ協定」が国際協調を促したように、この新しい枠組みによって廃プラ対策も新たな国際協調の段階に入るでしょう。
この国際枠組みの最大のポイントは、単なる理念で終わらせず、実効性を持たせるための仕組みが導入される点です。具体的には、各国が策定する行動計画の進捗状況を国際会議に定期的に報告し、お互いに確認し合う相互チェック体制を整えるとしています。原田義昭環境相は、この新たな枠組みを盛り込んだ共同声明を6月16日に公表する見通しです。議長国である日本が、新興国や途上国を含めた枠組みをどこまで実現できるかが、会合の焦点となっています。
この合意案は具体的な数値目標こそ設定しないものの、参加各国に対し、廃プラ削減に向けた行動計画の策定を義務づけています。ここでいう「廃プラ」とは、使い終わったプラスチック製品や容器包装などのことです。インフラ整備が追いついていない東南アジアなどの国や地域では、ごみ焼却施設の整備や、リサイクルを目的とした分別処理の取り組みが計画に盛り込まれるでしょう。一方で、日本を含む先進国は、リサイクル率の改善や途上国への技術・資金支援などを積極的に計画に示していくと見込まれます。
毎年、少なくとも900万トン近くもの廃プラが海に流出しているとされており、これは海洋生物の生態系や地球全体の環境に極めて深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。実は、世界の廃プラ排出量のうち、G20諸国が排出する量がその5割弱を占めるという報告もあります。だからこそ、G20が先頭に立って新しい枠組みを創設し、世界全体で廃プラ発生量の削減を目指すことは、極めて意義深い一歩だと私は考えます。世界が抱える喫緊の課題への対策において、日本が主導権を発揮していることは大いに評価すべき点でしょう。
この新しい国際枠組みには、世界の海洋への廃プラ流出の実態を正確に把握するためのデータ収集という重要な狙いもあります。各国が連携してデータの収集や分析を進められるよう、2019年秋にもインドネシアに廃プラ対策の拠点を設置する計画があるとのことです。一方で、「パリ協定」のように取り組みの報告を義務づける形ではないため、今後、この新枠組みがどれほどの実効性を発揮できるかが課題となるでしょう。しかし、国際的な協力体制の第一歩が築かれたことは、地球の未来にとって非常に明るいニュースだと言えるのではないでしょうか。
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