日米デジタル貿易協定案が判明!AIアルゴリズム開示禁止の裏に隠された「独禁法」という切り札

2019年09月12日、日米両政府が基本合意を目指しているデジタル貿易交渉の具体的な協定案が明らかになりました。今回の合意の大きな柱は、人工知能(AI)の心臓部ともいえる「アルゴリズム」の取り扱いです。政府が企業に対して、企業秘密である計算手順などの開示を求めることを原則として禁止する方針が打ち出されました。これはハイテク分野での自由なビジネス展開を後押しする画期的なルールとなります。

アルゴリズムとは、コンピューターが特定の課題を解決したり、AIが判断を下したりする際の手順や計算式のことを指します。いわば、デジタルの世界における「秘伝のレシピ」のようなものです。これまでは、進出先の国から不当にこのレシピの開示を迫られるリスクがありましたが、今回の協定案ではこうした事態を防ぎ、企業の知的財産を強力に保護する姿勢を明確にしています。SNSでは「技術流出の抑止力になる」と期待の声が上がっています。

しかし、今回の協定案には極めて重要な「例外」も盛り込まれました。それは、独占禁止法(独禁法)に抵触する疑いがある場合や、個人情報保護、消費者の安全確保に懸念が生じたケースです。独禁法とは、企業間の公正で自由な競争を妨げる行為を規制する法律です。巨大IT企業によるデータの独占、いわゆる「プラットフォーマー」による市場支配が問題視されるなか、政府が一定の介入権限を保持することには大きな意義があるでしょう。

例えば、ネット通販サイトで特定の企業の商品が不当に検索順位を下げられるといった、アルゴリズムによる不利益操作が行われていないかをチェックすることが可能になります。また、過去に自動車メーカーが排ガス規制を不正に逃れるプログラムを仕込んでいたような事件の際にも、この例外規定が威力を発揮します。消費者の安全を脅かす隠れた不正を暴くために、政府が「プログラムの設計図」であるソースコードの提示を求める道が残されたのです。

2019年09月末にニューヨークで開催される国連総会に合わせ、日米首脳は正式な署名を行う方向で最終調整に入っています。私の視点では、この協定は単なる二国間の約束に留まらず、不透明な技術開示を強いる国々に対する国際的な牽制球になると確信しています。自由なイノベーションを尊重しつつ、暴走する巨大資本には釘を刺す。この絶妙なバランス感覚こそが、これからのデジタル時代における国家の役割ではないでしょうか。

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