2019年09月13日、接客アドバイザーの北山節子さんが、かつての新人時代を振り返りながら、本当の意味でお客さまに寄り添う「おもてなし」のあり方について語ってくださいました。北山さんは20代前半の頃、大好きなブランドを扱う企業への入社を叶え、情熱を持って販売の現場に立った経験をお持ちです。「商品を通じてお客さまを笑顔にしたい」という純粋な志を抱いてのスタートでした。
配属された売り場で先輩から指導されたのは、通路を通る方へ積極的に声をかけるという手法だったそうです。しかし、つい最近まで自身が一消費者であった北山さんにとって、この「すかさず声をかける」という行為は、むしろ苦痛に感じられるものでした。ただ目が合っただけ、あるいは商品に少し触れただけの方に対して間髪入れずにアプローチすることは、時として心理的な壁を作ってしまうからです。
SNS上でも「店員さんの声かけが早すぎると、ゆっくり見られずに店を出てしまう」という共感の声が多く、接客における「距離感」の難しさは現代でも共通の課題と言えるでしょう。お店の入り口に立つとき、多くのお客さまは多かれ少なかれ緊張を抱いているものです。そのため、店員側にはまずその緊張を解きほぐし、安心感を提供する「心のゆとり」が求められます。
理想的な接客とは、店員が柔和な表情で何気ない作業をこなしつつ、おおらかな空気感で「どうぞゆっくりご覧ください」と一言添えることではないでしょうか。そうすることで、お客さまは「自分に似合うか」「予算に合うか」といった判断を、自分のペースで落ち着いて行うことができます。この「居心地の良さ」こそが、店舗への信頼感へと繋がっていくはずです。
接客における「パーソナライズ(一人ひとりの特性や好みに合わせて対応を変えること)」は、現代のマーケティングにおいても非常に重要な概念です。十人十色、百人百様のお客さまがいらっしゃる以上、画一的なマニュアル通りの声かけでは心に響きません。自分自身が客の立場だった頃の感覚を忘れず、相手に合わせた柔軟な対応が必要不可欠です。
私はこの記事を読み、編集者の視点からも「相手を尊重する引き算の美学」を感じました。売りたい気持ちが先行して言葉を重ねるよりも、あえて一歩引いて見守る姿勢が、結果として深い信頼を生むのです。プロとして現場に立つ人々は、2019年09月13日のこの教訓を胸に、改めて自分の表情や声のトーン、そしてアプローチのタイミングを見直すべきでしょう。
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