ブリヂストンが挑む「タイヤの未来」とは?2019年9月の最新人事から読み解く次世代戦略

世界をリードするタイヤメーカー、ブリヂストンが2019年9月14日に発表した最新の人事異動が、業界内で大きな注目を集めています。今回の組織改編は、単なる役員の交代にとどまらず、同社が目指す「ソリューションビジネス」への本格的なシフトを象徴するものと言えるでしょう。特に、2019年9月16日付で就任する常務執行役員の始関雄三氏が、タイヤ生産技術開発と先進技術タイヤシステム開発を兼務する点は、技術革新を加速させる決意の表れです。

SNS上では、この異動に対して「ブリヂストンの本気度が伝わってくる」「ITやシステム開発の重要性がさらに高まっているようだ」といった驚きや期待の声が数多く寄せられています。今回の人事では「PaaS(パース)」という言葉が冠された本部の設立も確認されました。これは「Platform as a Service」の略称で、製品を売るだけでなく、タイヤの摩耗状況や走行データを管理する仕組みそのものを提供しようとする、新しいビジネスモデルの基盤となる専門部署です。

具体的には、川原隆宏氏が「Bridgestone T&DPaaS 技術企画・システム開発本部長」に就任し、デジタル技術を駆使したサービス展開をリードすることになります。また、航空機用タイヤや鉱山・建機向けのソリューション戦略にも新たなリーダーが配置されました。これまでの「モノづくり」に、データ解析や運用サポートという「コトづくり」を融合させることで、顧客に対してより高い付加価値を提供しようとする戦略が明確に打ち出されています。

筆者の視点から申し上げますと、この大胆な体制変更は、自動車業界が直面している100年に一度の変革期、いわゆるCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)への強力な回答だと感じます。タイヤは車が唯一路面と接するパーツであり、そこから得られる情報は宝の山です。ブリヂストンがそのデータをいかに収益化し、安全な社会を支えるインフラへと進化させるのか、今後の動きから目が離せません。現場の「モノづくり」を疎かにせず、最新技術を融合させる姿勢こそが、同社の強みとなるでしょう。

さらに2019年10月1日付では、化工品部門でも重要な人事が行われます。執行役員の草野暁氏が化工品製造本部長に、津田孝氏が化工品生産統括本部長に就任する予定となっており、タイヤ以外の事業領域でも盤石な生産体制を整える構えです。生産技術の効率化からガバナンスの強化まで、全方位にわたる布陣を敷いたブリヂストンの新体制は、次世代のモビリティ社会において、これまで以上に中心的な役割を果たしていくことが期待されます。

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