東日本旅客鉄道(JR東日本)が、国内では極めて珍しい50年物の普通社債(ストレートボンド、SB)を、2019年7月にも発行する計画を進めていることが明らかになりました。この超長期の社債は、発行額が100億円となる見通しで、合わせて30年物、20年物、10年物もそれぞれ100億円ずつ発行し、総額400億円の起債となる予定です。主幹事にはみずほ証券とSMBC日興証券が指名されています。
国内での50年債の発行は、2019年4月に三菱地所が初めて実施したのに続き、JR東日本が2例目となります。社債とは、企業が資金調達のために発行する債券のことで、投資家はこれを購入することで利子を受け取り、満期が来ると元本が返還されます。この50年債は、償還(元本が投資家に払い戻されること)までの期間が半世紀という、非常に長い期間を設定している点が最大の特徴でしょう。調達した資金は、すでに発行されている社債の償還資金などに充てられる予定です。
JR東日本が超長期債を発行する背景には、同社の安定した財務体質と、インフラ企業ならではの考え方が見られます。同社の2020年3月期の連結純利益は、前期比2%増の3,010億円と、5期連続で最高益を更新する見通しで、極めて堅調な業績を誇ります。さらに、前期末時点での負債資本倍率(D/Eレシオ)は1.0倍と、10年前の2009年3月期(2.0倍)から半減しており、財務の健全性が大幅に改善している状況です。D/Eレシオとは、企業の借金(負債)が、自己資金(資本)の何倍あるかを示す指標で、低いほど財務の安定性が高いことを意味します。信用格付けも、格付投資情報センター(R&I)から「ダブルAプラス」という高い評価を得ていますので、投資家にとって非常に信頼性の高い発行体であると言えるでしょう。
同社は50年債の発行について、「我々が保有する鉄道インフラなどの資産は耐用年数が非常に長いため、資金調達も償還期間の長い社債が適切であると判断した」とコメントしています。鉄道事業のような、一度整備すれば長期にわたり利用されるインフラを持つ企業にとって、資金調達の期間を資産の耐用年数に近づけることは、資金繰りの観点から非常に合理的で望ましい経営戦略であると私は考えます。
また、昨今の金融市場の動向も、この超長期債の発行を後押ししています。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを停止して以降、世界的に金利が低下傾向にあるため、より高い利回り(投資した元本に対する収益の割合)を求める投資家が、信用力の高い企業の超長期社債に強い関心を示している状況です。例えば、国内初となる50年債を発行した三菱地所の場合、2019年4月に発行した際の利率は年**1.132%**で、発行金額は150億円でした。市場には、日本の大動脈を支えるJR東日本が発行する「ダブルAプラス」の長期債に対する需要が確実にあると見込まれるでしょう。
このJR東日本の50年債発行のニュースは、「50年もの」「超長期債」「JR」といったキーワードでSNSでも大きな反響を呼んでおり、「鉄道の安定性と長期的な視点を表している」「インフラ企業の資金調達の形として理にかなっている」「今の低金利の状況だからこそできる戦略だ」など、経営戦略や市場の状況に絡めた意見が多く見受けられます。企業の資金調達のニュースとしては異例の注目度であり、JR東日本という巨大インフラ企業の動きが、国内資本市場に新たな潮流を生み出す可能性を秘めていると言えるでしょう。
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