2019年09月20日の開幕が目前に迫るラグビーワールドカップ日本大会。東京や大阪といった大都市の主要駅を歩けば、大会を象徴するポスターが至る所に掲出されており、世界的な祭典が幕を開ける高揚感に包まれています。東京都内では1100以上の商店街に4万枚もの小旗がたなびき、街全体がラグビー色に染まっているといっても過言ではありません。開催地となる全国12都市では、大型モニターで試合を楽しむ「ファンゾーン」も設置され、100万人規模の来場が見込まれています。
しかし、こうした熱狂とは対照的に、広島市内ではいまだに静かな時間が流れているようです。開催地から距離があることも影響してか、市民の関心は決して高いとは言えません。関東や関西ではお馴染みの「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」というキャッチコピーも、広島の街中では見かける機会が少ないのが現状です。中国地方では唯一、山口県長門市がカナダ代表のキャンプ地となっていますが、広島周辺ではその盛り上がりを実感するまでには至っていない様子が伺えます。
SNS上でも「広島はカープ一色でラグビーの話題が出にくい」といった声が散見されます。広島は自他共に認める「スポーツ王国」ですが、2019年09月14日現在はプロ野球のシーズン終盤ということもあり、上位争いを繰り広げる広島東洋カープへ注目が一点集中しています。地元ファンからは「指導者が少なく、競技経験者も育ちにくい環境だ」と嘆く声も上がっており、ラグビー文化が根付いている他地域との温度差は、残念ながら否定できない事実かもしれません。
ここで「不毛の地」という言葉が使われていますが、これはその競技の普及が進んでおらず、関心が薄い地域を指す比喩表現です。ラグビーはルールが複雑な印象を持たれやすいため、日常的に接する機会がなければ、その魅力に触れるハードルが高くなってしまいがちです。しかし、そんな逆風が吹く広島だからこそ、今回のワールドカップは地元の人々にラグビーのダイナミズムを伝える絶好のチャンスになると、多くの関係者が期待を寄せています。
日本代表の快進撃が広島を変える?専門家が語る期待感
中国電力ラグビー部を率いる脊川穏監督は、今回の大会が広島のスポーツシーンに大きな変革をもたらすと確信しています。日本代表が初戦のロシア戦で勝利を収め、悲願の決勝トーナメント進出を果たせば、広島の人々の視線も必ずラグビーへ向くと期待を語られました。勝利という最高の結果が伴えば、競技の認知度は一気に跳ね上がるでしょう。世界最高峰のタックルやスクラムの迫力を目にすれば、カープ愛に溢れる広島市民も、その虜になる可能性を十分に秘めています。
編集者である私自身の考えを述べさせていただけるなら、広島のスポーツポテンシャルは日本一だと思っています。一度火がつけば、その熱量はどの都市よりも激しく燃え上がるはずです。今はまだラグビーが「蚊帳の外」に置かれているように見えますが、それは単にきっかけがなかっただけではないでしょうか。選手たちがフィールドで命を懸けて戦う姿は、必ずや広島の皆さんの心を揺さぶるはずです。この秋、広島の街に赤いユニフォームだけでなく、桜のジャージが溢れる光景を夢見てやみません。
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