御嶽山噴火から2019年で5年。活火山と共に生きる「正しく畏れる」知恵と教訓

戦後最悪の火山災害として記憶に刻まれた御嶽山の噴火から、2019年09月27日でちょうど5年を迎えようとしています。かつては死火山(歴史上の噴火記録がない山)と考えられていた御嶽山ですが、1979年の突然の噴火、そして2014年の悲劇を経て、私たちは「火山は常に謎を秘めた存在である」という事実を突きつけられました。

2019年現在の御嶽山は、夏の期間に限り山頂の剣ケ峰までの登山が再開されるなど、少しずつ活気を取り戻しつつあります。山頂付近には頑丈な避難シェルターが設置され、山小屋も噴石の衝撃に耐えうる特殊繊維で補強されるなど、万全の備えが進められました。しかし、登山者数は全盛期の8割程度に留まっており、観光の復興と遺族への配慮の間で地元は揺れています。SNS上でも「山への祈りを忘れてはいけない」といった声が根強く聞かれます。

2014年の教訓から、気象庁は運用のあり方を大きく見直しました。当時は地震が増えていたにもかかわらず警戒レベルが「1(平常)」だったため、多くの人が危機感を持たずに入山してしまったからです。現在はレベル1の呼称を「活火山であることに留意」と変更し、わずかな異変でも迅速に噴火速報を出す体制が整っています。情報の出し方一つで命が左右されるという重い事実を、私たちは忘れてはなりません。

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「火山マイスター」が繋ぐ、郷土愛と防災の新しい形

長野県では、火山を単なる恐怖の対象とするのではなく、深く理解して共生するための「御嶽山火山マイスター制度」を導入しています。これは専門家から知識を学び、その魅力を県外へ発信する伝道師を育成する取り組みです。2019年までに山岳ガイドなど11人が認定され、地元の子供たちも「ジュニア火山マイスター」として活動しています。火山を畏怖しつつ、故郷を愛する心を育むこの試みは、新しい防災の形と言えるでしょう。

また、箱根山などの他の地域でも、噴火による観光への打撃を最小限に抑えようと、正確な情報発信に注力しています。箱根ジオミュージアム(地質や火山の成り立ちを学ぶ施設)では、「火山と友達になる」という視点で啓発活動が行われています。過度な自粛を招く風評被害を防ぐには、科学的な根拠に基づいた「正しく畏れる」姿勢が、住民にも観光客にも求められているのです。

2011年の東日本大震災以降、日本列島の地下では地震と火山の活動が明らかに活発化しています。西之島や口永良部島、そして草津白根山など、各地で噴火が相次いでいるのが2019年現在の日本の姿です。専門家が指摘するように、もはや「日本のどこかで常に噴火が起きている」と考えるのが自然な状況と言えます。登山を楽しむ際は、必ず気象庁のサイトで最新の活動状況を確認する習慣をつけましょう。

編集者の視点として、火山は温泉や美しい景観という「恵み」をくれる一方で、一瞬にして牙を剥く「厳しさ」も持っています。私たちはその両面を受け入れなければなりません。災害を風化させず、テクノロジーによる観測と、マイスターのような「人の知恵」を融合させることこそが、火山大国日本で生きていくための唯一の道だと確信しています。

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