液晶パネルが値上がり!テレビ用32型・43型で2カ月連続上昇の背景と米中貿易摩擦の行方

テレビの心臓部とも言える液晶パネルの取引価格が、ここにきて上昇傾向を見せています。特に指標となる32型テレビ用のオープンセル(バックライトなどの部品が組み込まれていない半製品のこと)は、2019年4月の大口取引価格が、前月比で約2パーセント高い1枚43.5米ドル前後の水準で決着しました。これは2カ月連続での値上がりとなっており、同じく43型も約2パーセント上昇し、84.5米ドル前後で取引されています。この価格回復の背景には、中国や韓国の大手パネルメーカーによる戦略的な「生産調整」が大きく関わっているようです。

この価格上昇の最大の要因として挙げられるのは、世界的な大手パネルメーカーの生産戦略の転換です。市場調査会社テクノ・システム・リサーチの林秀介マーケティングディレクターが指摘するように、世界最大手の中国の京東方科技集団(BOE)や、韓国のサムスンディスプレーといった主要企業が、採算性の悪化していた32型や43型といった中小型パネルの生産能力を、より利益率の高い大型パネルへと振り向けました。これにより、過剰在庫の状態が解消され、需給バランスが引き締まったことで価格が持ち直したと言えるでしょう。SNSでも「ついにパネル価格が上がり始めたか」「テレビが安くなりすぎたから当然の流れだ」といった、市場の動向に注目する声が多く見受けられました。

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大型パネルは依然下落傾向、立ちはだかる米中貿易摩擦の壁

一方で、大型テレビ向け液晶パネルの価格は、いまだ下落の勢いから抜け出せていません。例えば55型の大口価格は、2019年4月時点で前月より約1パーセント安い136米ドル前後となり、実に8カ月連続で値下がりしている状況です。下げ幅自体は縮小したものの、価格の重い展開は継続しています。65型も約1パーセント下落し、209米ドル前後での取引となっています。このように大型パネルと中小型パネルで価格動向が二極化しているのは、需要と供給のバランスが、それぞれ異なる局面にあることを示唆していると言えるでしょう。

しかし、市場の先行きには、世界経済を揺るがす大きな懸念材料が存在します。それが「米中貿易摩擦」の長期化です。アメリカ合衆国政府は、テレビやパソコンを含む中国からのほぼすべての輸入品に対し、「第4弾」となる制裁関税の適用を検討していると報じられており、これが現実となれば、液晶パネル市場にも大きな影響が及ぶ可能性があります。特に年末商戦を控えるにあたり、需要の先行きに対する不透明感が市場全体に漂っており、せっかく持ち直した中小型パネルの価格も、再び下落に転じるのではないかという懸念が拭えません。経済の専門家の間でも、この貿易摩擦の動向こそが、今後の液晶パネル市場の価格を決める最大のカギになるとの見方が強まっているところです。

私たち編集部の見解としては、中国・韓国勢の「生産調整」という英断が、低迷していた中小型パネル市場に一筋の光明をもたらしたことは間違いありません。しかし、その効果が持続するかどうかは、貿易摩擦という外部環境に大きく左右されるでしょう。消費者の皆様にとっても、この価格変動は最終製品であるテレビの価格に直結するため、今後の米中間の動きから目を離すことはできません。この不安定な状況を乗り越え、市場が健全な価格形成へと向かうことを期待したいものです。

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